自然素材のリフォーム・駿河屋
吸湿性の違いを実験する。
自然素材と一般の建材でビジュアル的な差がわかりやすいのは吸湿性の違いです。
こちらの実験を御覧ください。
この中にお湯の入ったコップを入れてみます。
実験結果
なんと30秒ほどで左の水槽は湯気で曇ったのに対し、右の水槽には見た目にほとんど変化がありません。
これは珪藻土、天然杉には調湿効果があり、新建材にはその効果があまり(ほとんど)ないためだそうです。
天竜杉
新月伐採
住宅の気密性
日本は先進国では稀なほど住宅でなくなる人の割合が多いといいます。
主な死亡事故は風呂場や脱衣所で温度の急激な変化が循環器に負荷をかけ(ヒートショック)、心臓麻痺や脳梗塞などで亡くなるケースです。お風呂では服は脱いでいますし、服を着ていても肺から冷たい空気を吸収するので、しっかりとした寒さ対策を行うには住宅の改善、気密性の向上がカギになります。
ただし家を密閉してしまうと室内に悪い空気が溜まってしまいます。計画通りに空気が流れ、法律で決められた換気水準を満たすことが重要になります。
室内の空気については厳密には測定器具も必要なので素人が把握するのはなかなか難しいです。信頼できる業者さんに依頼しましょうということでした。
新建材、自然素材
メーカー名は伏せますが、一般的な住宅に使用される床用フローリングです。
断面を見れば分かるように木材が層になっていて、表面部分も木目が印刷されたものが貼り付けられただけになっています。
こちらは古くから使われていた杉です。
表面は確かに傷がつきやすく柔らかいですが、触ってみるとフローリングのひんやりした感じがなく、温かみを感じます。
人工的な加工がされていない木材からはフィトンチッド と呼ばれる化学物質が放出されており、リラックス効果などがあります。
こういった木材は合板のフローリングに比べて経年劣化もしますが、逆に年々味が出てくるという面白みもあり、湿度を調整する機能もあるの部屋干しがすぐ乾くという声をお客さんからいただくそうです。
優先順位
自然素材のメリットがあげられましたが、もちろん新建材にも低コスト等の利点はあります。
そこで空気にこだわりたい部分、こだわるべき部分から優先順位をつけてリフォームすることが推奨されます。
室内空気に最も影響を与えるのは床であるというデータがあります。室内空気の摂取割合で寝ている人の場合は73%が、立っている人の場合は53%が、床から影響を受けた空気を吸っていることになります。壁の場合だと寝ている時で8%, 立っている時で15%だそうです。
従ってこれに室内で過ごす時間をかけて考えることを推奨しています。
寝室やリビングなど、室内で時間を過ごす場の床を優先的に自然素材にすることがオススメということでした。
自然素材だからといって良いものとは限らない
世の中には自然素材と謳われるものは多く出回っていますが、注意が必要です。
畳
畳は国内に流通している80%が中国産で、農薬の基準も国内と異なり、どういった染色をしているかも不明です。
さらに言えば国産の畳にもグレーな業者も残念ながら存在し、農家が中国産を混ぜていたり、信用出来ないものも多いということでした。
駿河屋さんでは熊本県八代産のイグサを推奨しており、自分たちでイグサの田植えや草刈りに関わっているとのこと。
珪藻土
珪藻土にでんぷん糊が多いとカビの原因になります。適正なものが適正な割合で入っていないと建材として好ましくないというわけです。
こちらは稚内でとられた珪藻土のもととなる岩石ですが、霧吹きで水を吹きかけると一瞬で乾いてしまい、驚異的な吸水性に驚かされました。
無垢のフローリング
左が一般的なフローリングで、右が新月伐採で葉枯らし乾燥をかけたものです。
左は漂白、防虫処理され機械によって乾燥されています。
一般的に流通している木材のほとんどは機械によって人工的に乾燥したものですが、その製法だと木が本来持っているリラックス効果や調湿効果が失われ、いわば木のミイラのような状態になっているといいます。天然の乾燥は時間がかかるため在庫管理の問題で採算が合わず、なかなかできるところが少ないということです。
後半はこちら

