そもそも自然素材って?
自然素材とは、木材、紙、草、石、土など自然の素材でつくられた材料のことです。
しかし、自然素材には明確な定義といったものはなく、建材メーカーや施工会社が勝手に基準を定めている場合がほとんどです。一般的には、
- 木材、紙、土など、自然界にあるものが原料
- 素材に最小限の加工(切る、削るなど)しかしていない
- 石油化学系塗料や接着剤などケミカルなものを使用していない
- 処分後は自然に還る
といった特徴があるとされています。
普通の素材とどう違うの?
普通の素材、いわゆる新建材は、木材や石油原料を加工することで作られています。安価なため住宅建築に広く用いられてきました。
しかし、石油化合物である新建材はシックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)を含むため、数々の健康被害を引き起こす恐れがあります。そのため、これらの成分を含まない自然素材が注目されるようになりました。
どんないいところがあるの?
自然素材の魅力は、なんといってもその質感や手触り、独特のあたたかみにあります。
また、自然素材は「呼吸をしている」とも言われます。通常の素材は、経年とともに劣化していく一方ですが、自然素材は時間とともに独特の味わいを持つようになります。
そのほかにも、化学物質をあまり含まないため、シックハウス症候群を防ぐことができる、廃棄された材料は自然に還るため、解体時の環境負荷が小さいといったメリットもあります。
じゃあ自然素材っていいことばかりなの?
自然素材はいいことばかりではありません。
まず、通常の素材に比べてメンテナンスが大変であるということが挙げられます。
また、化学素材にしか備わっていない性質というのも当然あります。一般に、防水性や強度は自然素材はやや劣ると言われています。
どんな種類があるの?
このように、さまざまな性質を持つ自然素材ですが、具体的にどのような種類があるのか見ていきましょう。
よく使われるのは以下の素材です。
- 無垢材
- 塗り壁材
- コルクタイル
無垢材
無垢材とは、合板や集積材と異なり、原料の丸太から使用する形に直接切り出したものを指します。
床材(フローリング)や家具、建具、造作材等幅広い用途があります。
塗り壁材
塗り壁は左官壁とも呼ばれ、細かい石や水を練り合わせた塗り壁材を、下地の上に塗り固めることで作ります。漆喰のような日本の伝統的な素材もこれに分類されます。その他、珪藻土もよく用いられる塗り壁材の一つです。
その他、漆喰には「見た目の美しさ」、珪藻土には調湿効果や消臭効果といった優れた特徴があります。
コルクタイル
コルクとは、コルク樫の樹皮を剥離・加工したもの。空気を含むためやわらかく、滑りにくいため子供部屋の床材等に適しています。
ただし、製品によっては化学物質を含むことがあるので選ぶ際は慎重に。
自然素材の家を建てるときの注意点
このように様々な性質を持つ自然素材ですが、100%自然素材にすれば良いというわけではありません。重要なのは自分の「こだわりポイント」が何かをしっかりと見極め、目的にあった素材を選ぶ
ことです。また、細かなケアやメンテナンスが必要であるということを理解し、自分の家は自分で手入れするという強い想いを持つことも大事です。信頼できる専門家に相談しながら、満足のいく住まいづくりをしていきましょう。

