これからの主流?自然素材を使ったリフォームまとめ

シックハウス対策

そもそも自然素材って?

自然素材とは、木材、紙、草、石、土など自然の素材でつくられた材料のことです。
しかし、自然素材には明確な定義といったものはなく、建材メーカーや施工会社が勝手に基準を定めている場合がほとんどです。一般的には、

  • 木材、紙、土など、自然界にあるものが原料
  • 素材に最小限の加工(切る、削るなど)しかしていない
  • 石油化学系塗料や接着剤などケミカルなものを使用していない
  • 処分後は自然に還る

といった特徴があるとされています。

普通の素材とどう違うの?

普通の素材、いわゆる新建材は、木材や石油原料を加工することで作られています。安価なため住宅建築に広く用いられてきました。

新建材は60年代の高度成長期に、たくさんのマイホーム需要に応えるために誕生しました。木や石油原料を加工することで大量生産が可能になった新建材は、安くて加工しやすいというメリットも手伝って、日本の住宅材料のスタンダードになったのです。

自然素材」の定義とは?

しかし、石油化合物である新建材はシックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)を含むため、数々の健康被害を引き起こす恐れがあります。そのため、これらの成分を含まない自然素材が注目されるようになりました。

どんないいところがあるの?

自然素材の魅力は、なんといってもその質感手触り、独特のあたたかみにあります。

自然素材の魅力は、何と言ってもテクスチャーです。床に敷いた無垢フローリングはやわらかで、足が触れるたびにぬくもりを感じさせ、おだやかな木目が目に触れる度にやさしい気分に。壁に塗った漆喰は光によって色むらが浮き上がり、職人さんの手仕事を感じさせてくれます。

自然素材のリフォーム・リノベーション

また、自然素材は「呼吸をしている」とも言われます。通常の素材は、経年とともに劣化していく一方ですが、自然素材は時間とともに独特の味わいを持つようになります。

経年変化によって風合いや色合いが変わり、趣が深まることも魅力の1つです。自然素材を使ってナチュラルテイストの空間をつくることはもちろん、クールやモダンな空間に使って趣をプラスすることができます。

自然素材のリフォーム・リノベーション

そのほかにも、化学物質をあまり含まないため、シックハウス症候群を防ぐことができる廃棄された材料は自然に還るため、解体時の環境負荷が小さいといったメリットもあります。

じゃあ自然素材っていいことばかりなの?

自然素材はいいことばかりではありません。
まず、通常の素材に比べてメンテナンスが大変であるということが挙げられます。

生きた素材ゆえに起こるトラブルもあります。柔らかな質感のスギ板の無垢フローリングや珪藻土塗りの壁は、キズがつきやすいものです。季節によって、無垢フローリングが収縮して隙間ができたり、木材同士がすれあって床鳴りが発生したりすることもあります。

こんな方におすすめです

また、化学素材にしか備わっていない性質というのも当然あります。一般に、防水性強度は自然素材はやや劣ると言われています。

化学素材には、構造材の劣化や雨漏りを防ぐといった、自然素材にはない特殊性能があるため、住まいに耐久性を持たせるためには多少必要になってきます。

自然素材のリフォーム・リノベーション

どんな種類があるの?

このように、さまざまな性質を持つ自然素材ですが、具体的にどのような種類があるのか見ていきましょう。
よく使われるのは以下の素材です。

  • 無垢材
  • 塗り壁材
  • コルクタイル

無垢材

無垢材とは、合板や集積材と異なり、原料の丸太から使用する形に直接切り出したものを指します。

【主な特徴】 1.調湿作用 湿気が多くなると水分を吸収し、乾燥すると水蒸気を放出する。そのため室内の空気が快適で、ダニやカビを防ぎやすい 2.断熱効果 細胞内に空気を含んでいるため周囲の温度の影響を受けにくく、夏涼しく冬暖かい 3.質感 針葉樹系は質感が柔らかでキズがつきやすいが、修復も比較的楽。広葉樹系は適度に硬質で、キズや縮みの心配も少ない 4.火災に強い 木材は燃えて炭化すると、内部に火が及ぶまで時間がかかる。そのため内装や外装に太い無垢材を使うと、火災に遭ってもすぐに倒壊しない 5.癒し効果 木目の美しさ、清々しい木の香りはリラックス効果満点。住まいの中で、森林浴の気分が味わえる

どんな素材があるの?

床材(フローリング)や家具、建具、造作材等幅広い用途があります。

塗り壁材

塗り壁は左官壁とも呼ばれ、細かい石や水を練り合わせた塗り壁材を、下地の上に塗り固めることで作ります。漆喰のような日本の伝統的な素材もこれに分類されます。その他、珪藻土もよく用いられる塗り壁材の一つです。

【主な特徴】 1.調湿作用 水分の救出や放出をして湿度バランスを保つことができる。そのため夏涼しく冬暖かい室内に 2.消臭効果 空気中のイヤな臭いやCO2を吸収する性質がある 3.防汚性 静電気を寄せ付けない性質があるため、ほこりなどを寄せ付けず、汚れにくい 4.断熱・防火性 漆喰は昔から火事に強い仕上げ材として城や蔵の壁に使用されていた。また、珪藻土も七輪の素材であることから分かるように、熱をシャットアウトする力が強く、燃えにくい 5.抗菌性(漆喰) 漆喰は強アルカリ性なのでカビや細菌が繁殖しにくい。ただし、強アルカリゆえに成分が固まっていない時に敏感肌の人が素手で触ると、手荒れの原因になることも

どんな素材があるの?

その他、漆喰には「見た目の美しさ」、珪藻土には調湿効果や消臭効果といった優れた特徴があります。

コルクタイル

コルクとは、コルク樫の樹皮を剥離・加工したもの。空気を含むためやわらかく、滑りにくいため子供部屋の床材等に適しています。

【主な特徴】 1.弾力性 柔らかな肌ざわりで、万一室内で転倒した時でも安全性が高め。ただし、その柔らかさゆえ動物が爪でひっかいたりすると角が欠けてしまうことも 2.断熱効果 熱伝導率が低い理由は、内部に気泡を多く含んでいるから。夏はサラッと涼しく、冬も足元の冷えに悩まされにくい 3.耐水性 ワインの栓に使用されていることから分かるように、液体の吸収率が低いので水まわりの床材にも向いている。

どんな素材があるの?

ただし、製品によっては化学物質を含むことがあるので選ぶ際は慎重に。

自然素材の家を建てるときの注意点

このように様々な性質を持つ自然素材ですが、100%自然素材にすれば良いというわけではありません。重要なのは自分の「こだわりポイント」が何かをしっかりと見極め、目的にあった素材を選ぶ
ことです。また、細かなケアやメンテナンスが必要であるということを理解し、自分の家は自分で手入れするという強い想いを持つことも大事です。信頼できる専門家に相談しながら、満足のいく住まいづくりをしていきましょう。

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