ガラスの種類を知ろう
ガラスにはデザインや性質によって様々な種類があります。そして建築においてはガラスの特徴を熟知した上で、シーンや施工箇所に応じてガラスを使い分けることが重要です。
単板ガラス
1枚だけでできたガラスです。
フロートガラス(単層透明板ガラス)
フロートガラスは1枚のガラスでできた、最も典型的なガラスです。
厚みによって用途が異なります。厚さは一般的に2mm~19mmまであります。普通の住宅では主に3~6mmがよく使われます。
型板ガラス(型ガラス)
型板ガラスは光を通しつつ視線を遮るガラスです。光を拡散してプライバシーを守りたいお風呂や玄関に用いられることが多いです。
すりガラス
型板ガラスに似ていますが通常のガラスに加工をして表面を見えづらくしたものです。(型ガラスはボコボコした仕上がりになるように、専用の型に流し込んで作ります)
視界を遮るという用途が型ガラスと被っているので近年シェアは低下しています。
網入りガラス
建築基準法で定められた建物の延焼を防ぐために金属線が入ったガラスです。割れても飛散しにくいのが特徴です。
複層(ペア)ガラス
2枚のガラスを重ねて作ったガラスです。2枚の間に微妙に空気の隙間が存在することで、断熱効果を高め結露防止になります。
合わせガラス
2枚以上のガラスをビニール系合成樹脂などで接着して1枚にしたガラスです。
強度が格段に向上しており、防犯性・防災性が高いのが特徴です。間にある特殊なフィルムによってガラスを突き破って侵入することが完全に防げないにせよ時間を稼げます。破損の際も飛散が少ないです。
断熱ガラス、防音ガラスといったガラスも基本的には合わせガラスの樹脂や組み合わせで実現していて、合わせガラスの一種であるといえます。
その他特殊なもの
耐熱ガラス
コンロ付近の壁など、耐熱性が求められる箇所で使われます。
ガラスの選び方
予算や家のバランスを総合的に考慮しながら決定します。日常の滞在時間が長いリビングに位置する大きな窓は断熱性が求められるので合わせガラスに。トイレの小窓は型ガラスにしてプライバシーの考慮を。お風呂場の窓は寒さ対策としてスモーク効果のある合わせガラスに、といった具合に決定しましょう。
また、フロートガラスは視界が澄んで見える分、ガラス自体の汚れも目立ちます。天井窓のように日常的に掃除がしづらい箇所はそういった観点も考慮して決めたいですね。

