はじめに
DIYや職人の現場で用いられている工具の中で間違えやすいものが
ニッパと
喰い切りです。
どちらも
「切る」作業としては同じですが用途としては異なります。
今回の記事ではニッパと喰い切りがどのように違うのかを特徴や用途、メンテナンスなどの点からご説明していきます。
ニッパとは
ニッパとは主に
銅線や鉄線などを切断するときに用いる工具です。
このニッパには小さなものを鋭く切断することができる
精密ニッパと大きなものを切断できる
強力ニッパの2種類に大きく分けることができます。
ニッパの主な特徴
ニッパはだいたいこのような形状をしており、刃が真っすぐ向いているものや角度がついた斜めニッパなどがあります。
斜めニッパでは角度がある分、
平面に沿って刃を向けることができるため、非常に便利です。
また、刃の厚みや形状も様々な種類があり、刃が厚いものほどより太い鉄線を切断することができます。
ニッパの使いどころ
基本的にニッパは
配線などを切断する際に使用しますが、
配線カバーをむく場合にも使われます。
配線カバーをむく場合は、刃に小さな穴が開いたニッパを使用することできれいにむくことができます。
穴が開いていないニッパでむくのは難しいので、ペンチを使うのがおすすめです。
また、小型の精密ニッパは
細かい配線などを切断する際によく用いられます。
ニッパの主要メーカー比較・相場
ニッパは様々なメーカーが販売しておりますが、個人的には値段も安価で品質も良い
FUJIYAがおすすめです。
FUJIYAの商品は値段も
1,500円程度と安いため、刃がかけても買い替えることができます。
一方、切れ味や強力なものが欲しい場合は、
KNIPEXなどの上質なニッパを購入すると良いでしょう。
ニッパの使い方
ニッパはやはり切れ味が命なので、刃がかけないような使い方をしなければなりません。
最近ではピアノ線などの硬度の高いものを切断することができる特殊加工されたニッパなどもありますが、基本的にはピアノ線などを切断したり、無理に太いものを切断すると刃が傷んでしまう可能性があります。
したがって、ピアノ線や太い鉄線を切断する際は電工ペンチなどを利用する方がよいでしょう。
ニッパのメンテナンス
ニッパの刃が欠けてしまうと、程度によっては修理が不可能な場合もあるため、日々刃の状態を見ながらメンテナンスを行う必要があります。
ニッパに油をさす
ニッパの刃こぼれやさびを防ぐためには油をさす必要があります。だいたい
1カ月に1回は油をさしてメンテナンスを行うことをおすすめします。
油には刃の摩耗を防ぐ
潤滑油とさびを防ぐ
防さび用の油があります。使い方はいたって簡単で、
油を指してなじませた後に紙ウエスなどでふき取ればOKです。
一般的には、
KUREの
5-56などでメンテナンスを行う場合が多いですが、
椿油などの高品質な油をさすとよりよい効果が期待できます。
ニッパの刃を研ぐ
次に刃こぼれなどが起こって切れ味が悪くなってしまった場合は軽度であれば刃を研ぐことによって修理が可能です。
しかし、基本的には金物屋などに行って研いでもらうのが一番ですが、最近は値段の安いニッパも増えており、
新しく買い替えた方が安上がりという場合も多いです。
喰い切りとは
喰い切りは日本の伝統工具として用いられており、ニッパと同様にものを
「切る」ことができます。
ちなみに、喰い切りは一般的なニッパとは異なりますが、エンドニッパと呼ばれる喰い切りと同じ工具もあります。
喰い切りの主な特徴
喰い切りは一般的なニッパとは異なり、
刃の形状が垂直に向いているのが特徴です。
刃が垂直に向いていることで資材の凹凸をなくして平らにしたり、
比較的大きいものでも切断することが可能です。
喰い切りの主要メーカー比較・相場
喰い切りも様々なメーカーで販売されており、種類もいくつかあります。
比較的安く購入したい場合は
KEIBAや
KingTTCだと
1,500~2,000円程度で購入できると思います。
また、通常の釘頭落としなどで使われる一般的なの喰い切りより大きいサイズのものや
KNIPEXなどの高品質のものだと
3,000円~程度で購入することができます。
喰い切りの使い方
釘頭を落とす場合はある程度釘を打った後に
木材面と刃を平行にして切断することで、頭を落とすことができます。
同じように靴やカバンについている
カシメ取りにも有効です。
また、チェーンなどを切断する場合は
周囲の安全を確認したうえで、切断するようにしましょう。
注意点
ペンチやニッパでこじっってはいけないように喰い切りでも
こじる操作を行ってはいけません。
特に、釘を抜く際に喰い切りを使用してしまうと刃がかけてしまうので、注意しましょう。
喰い切りのメンテナンス
喰い切りもニッパと同様にメンテナンスを怠るとすぐに切れ味が落ちてしまい、
刃こぼれの原因となります。
定期的にメンテナンスを行うことで長く安心して使うことができ、結果的に経済的にもお得になります。
喰い切りに油をさす
喰い切りも同じように
潤滑油や
防さび用のオイルや
スプレーを塗ってあげましょう。
また、使用後に水や汚れが残ってしまうと
さびの原因になるので使用の度に
布や専用の紙ウエスで拭き取りましょう。
喰い切りの刃を研ぐ
刃の研ぎ方もニッパと同様に刃の外側を研いであげましょう。
刃のかみ合わせなどが悪い場合、やすりなどで刃先の
凹凸を無くしてあげると良いですが、削りすぎてしまうと、かみ合わせがより悪くなり取りかえしが付かなくなりますので、
基本的にはプロの方に見てもらうか、新しく買い替えた方がよいでしょう。
まとめ
|
ニッパ |
喰い切り |
刃の形状 |
刃の角度が平行、斜め |
刃の角度が垂直 |
用途 |
銅線、鉄線の切断 |
釘の頭落とし、チェーンの切断 |
主要メーカー |
FUJIYA、KEIBA、KNIPEX |
KEIBA、KingTTC、KNIPEX |
メンテナンス方法 |
油をさす、刃を研ぐ |
油をさす、刃を研ぐ |
ニッパと喰い切りは「切断する」という意味では同じでも刃の形状や用途が異なることがわかりました。
また、主要メーカーなども若干異なるため、工具選びの際にぜひ参考にしてみてください。