はじめに
スクレーパーは、その汎用性の高さから、さまざまな現場で使用されています。
使用用途や使用箇所により、作業に適したサイズ・素材のスクレーパーを選択して、作業の最適化を図りましょう。
スクレーパーとは
こする、削り取るという意味を持つ「scrape」という英単語の示す通り、剥がす、削るなどの用途に使われる道具で、
塗装剥がしや塗装の前のサビ落としに主に使われます。
小型の物ではカッターの様な物から車両に取り付けてある数メートルのサイズの物まであります。
スクレーパー(scraper)は、工業分野で用いられるへら状の刃に柄を付けた工具の総称。機械や建築などで、表面仕上げの施工をするのに用いられる。形状は用途によりさまざまで、細長いものからへら部分が幅広いものまである。塗装などには幅広いものが使われる。ものをはがすための工具に限定すると、ステッカーをはがしたり、ガスケットをはがしたりパッキンをはがしたりするときに使う。刃の材質は、セラミック・超鋼刃・硬鋼刃・ステンレス等がある。
スクレーパー (工具) – Wikipedia
スクレーパーの種類・用途・使える場所
小型のもの
クリーニングの際にこびりついた汚れを落とすのに使われます。
コンロのこびりついた焦げ、油汚れやサビなどを落とすのに使用します。
ヘラタイプ
小型でヘラ状になっているので窓のサッシ(溝の部分)など手の届きにくい場所の掃除に使用します。
幅広型
先の形状が広がっているため、効率よくサビなどの汚れを落とすことができます。
3枚刃タイプ
こちらのタイプは窓ガラスについた頑固な汚れなどを落とす際に使われます。
また、床やガスレンジまわりの汚れ落としにも使えます。
使用する際はスクレーパーの刃と汚れ部分を水や洗剤などで湿らせておくと比較的簡単に汚れを落とすことができます。
柄の長いタイプ
柄が長いタイプなので立った状態で作業を行うことができるため、体の負担を軽減できます。
プロの掃除屋などはこのタイプのスクレーパーをよく用いるようです。
調理用スクレーパー
工事現場から離れますが、調理用のスクレーパーもあります。主にシリコン製で、鍋の中身をこそぎ取ったりするのに使います。
皮スキとの違い
皮スキは本来その名の通り、皮をすいたり、切ったりするための道具であり、刃物鋼材でないとその目的は果たせません。
一方、スクレーパーは素材や汚れを剥がすための道具であり、下地を傷つけないために、金属製に限らず、シリコン製のものなどもあります。
ケレン棒との違い
ケレン棒は棒状のノミのような形状した道具で、スクレーパーよりもサイズが小さなものが多く、アルミサッシの溝を掃除したり、先端に布を巻きつけてちょっとした隙間の掃除をしたりするのに使います。
スクレーパーの刃の替え方
今回はスクレーパーの刃の取り替え方をご紹介していきます。今回取材したスクレーパーはオルファ製のもので、専用の刃がない場合は通常のカッター替刃で代用できるそうです。カッター替刃は専用の刃と比べて厚く丈夫ですが、値段はやや高いようです。
準備するもの
- カッターの刃(スクレーパー専用のものでも可)
- スクレーパー
- コイン(ネジを回す際に使用)
1. 刃の取り外し
ドライバーでネジを外していきます。ネジはコインなどを使用して緩めていきます。今回使用するスクレーパーはネジを緩めても刃が落ちない仮止め機能がついているため、クリップを外すようにスクレーパーを開き、刃を取り外していきます。その際、刃でけがをしないように注意しながら刃を外しましょう。
2. 刃の交換
次に、替刃の交換を行っていきます。取り外しの作業と同様にしてスクレーパーを開いて刃を取り付けていきます。
3. 刃の取り付け
今回はカッター替刃で代用しましたが、刃の面に気をつけて取り付けていきます。より鋭く使用したい場合は、通常の表面を上側にして取り付けましょう。また、あまり表面を傷つけたくない場合は、刃の裏面を上側にして取り付けるといいそうです。
4. ネジで締める
取付けが終われば、最後にコイン等でネジを締めて作業は完了となります。取替えの作業自体は非常に簡単ですが、刃物を取り扱うため、怪我等の起こらないよう十分注意しましょう。
ポイント
- スクレーパーの刃はカッター替刃で代用可能
- カッター替刃はスクレーパー専用の刃に比べて
厚く丈夫だが価格はやや高い
- 刃で手を切らないように十分注意する
電動スクレーパーの使い方
電動スクレーパーは、インパクトドライバーに取り付けて使用する簡易的なスクレイパーで、ドライバーの回転運動を上下運動に変えることで細かい下地処理を行うことができます。
また、刃先は適度なしなりもあり、下地を傷付けたくないデリケートな現場にお勧めです。
使い方としてはまずインパクトドライバーに専用のドリルチャックとスクレーパーを装着し、上の図のように後方にあるグリップを握りながら剥がし作業を行っていきます。
用途としてはPタイルやカーペット、ペンキ剥がしの他にもステッカーやさび落としなどにも使える優れものです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?単純な形状の道具だからこそ、サイズや材質の違いで様々な現場で使われています。今まで馴染みのなかった方も、一度使ってみるとその汎用性の高さに驚くのではないでしょうか。記事を参考に、ぜひ取り入れてみてください。