はじめに
キッチンのシンクの下部にあるパイプ部分を排水トラップと言います。排水トラップ部分には水がたまり、害虫が侵入してくることを防いだり、臭気が上ってくるのを防いだりする効果があります。今回は、古くなったキッチン排水トラップの交換手順を解説します。
キッチンの排水トラップ
キッチンの排水トラップは図のような構成になっていて、ごみかごの下に防臭キャップがあり、その下に排水トラップ部分があります。
この中にお椀を伏せたような形をした部品をかぶせて排水トラップ部分に水が溜まるようにし、下水からの臭気が来ないようになっています。
洗面台の排水トラップ
洗面台の下部にも同様の目的で排水トラップが用意されていますが、こちらはP字型のものとなっており、キッチン用とは形状が異なっていますが、用途はキッチンの排水トラップと同じです。
キッチン排水トラップの交換時期
水漏れや臭気が発生した際にはもちろん排水トラップを交換しますが、5年〜10年ほど使用するとだんだん古くなってくるので、引っ越しや退去のタイミングで交換するのが一般的です。現調時には入居時期を確認し、5年以上経っている場合は注意深く排水トラップの確認が必要です。
古くなった水洗トラップ
水洗トラップの交換手順
それでは排水トラップを交換していきます。
まずは排水トラップ下部に繋がっているパイプを外します。
排水トラップの取り外し
パイプが固定されていてそのままでは外れない場合、下記のような鋸(シャーパー)を使用して、古いパイプを切り取ります。
パイプが外れない場合、鋸などで切り取ります
古いパイプを切り取った後の形は、このようになります。
古いパイプを切り取った後の様子
続いて、古い排水トラップ部分の取り外しを行います。
この部分は固く固定されているので、取り外しの際に、大きめのパイプレンチがあれば便利です。パイプレンチがない場合は、うまく力が入るようにパイプに切れ込みを入れたりして、取り外します。
排水トラップは固く固定されいるので、取り外しには力とコツが必要。
排水トラップを取り外した後は、シンクの上面を確認します。
シンクのパッキンを取り外し、汚れを取り除きます。
排水トラップ取り外し後のシンクの様子
シンクの汚れを取り除く際に、シンクの排水トラップ接続部分に、
腐食や破損がないことを確認します。この部分に破損があると、排水トラップを交換しても、キッチン下部に水漏れが発生してしまいます。
汚れを取り除く際に、腐食や破損がないことを確認
シンクに問題ないことが確認できたら、交換後の排水トラップを
設置します。
新しい排水トラップを設置
下部から見た排水トラップ交換後の様子
続いて、先ほど切り取った排水トラップ下部のパイプの長さの調整を行います。図のように、カバーを置いたときに外に出ているパイプを切り取ります。
パイプの長さの調整
先ほど使用した鋸で長さを調整します。
パイプの切り取って長さの調節
パイプの長さ調整後の様子
次に、排水トラップに排水ホースの接続作業を行います。
排水ホースの接続
排水ホースは必要な長さを計り、不要な部分は切り取ります。
排水ホースは余裕を持った長さのものを準備し、不要な部分は切り取ります。
そのあと、臭気キャップを排水ホースとパイプの間につけ、緩みがないことを確認します。
排水キャップの接続
これで作業は完了です。キッチン排水トラップと排水ホースが新しくなりました。
排水トラップ交換後の様子
交換後に試しに水もしくはお湯を流して、キッチン下部に水漏れがないことを確認して終わりです。
水を流して確認
また、排水ホースの交換手順の詳細とパイプレンチの使い方の詳細については、以下の記事で詳しく記載していますので、合わせてご覧ください。
キッチン下からの臭い対策。排水ホースの交換方法
今回はキッチン下からの汚臭対策をご紹介します。汚臭は排水管に汚れが溜まると発生します。この汚れを放置しておくと漏水や配水管の破損の危険があります。汚れがひどい場合は洗剤では落ちないので排水ホースごと交換する方が良いでしょう。
施工現場で必須のレンチの使い方・選び方
レンチは、ボルトやナットなどを締め付けたり外したりする作業に使う工具ですが、用途に応じて様々な種類を使い分ける必要があります。本稿では代表的なレンチであるモンキーレンチ、コーナーレンチ、パイプレンチの特徴及び使い方、選び方を解説します。
終わりに
今回はキッチン排水トラップの交換手順を初めから完了まで解説しましたが、いかがでしょうか。道具が用意できれば、個人でも交換可能ですので、ぜひチャレンジしてみてください。