はじめに
施工現場でよく使われるドリルドライバーとインパクトドライバーはそれぞれ得手不得手があります。それらをきちんと使い分けて高品質な仕上がりを目指しましょう。
ドリルドライバーとインパクトドライバーの違い
インパクトドライバーの性質
インパクトドライバーは施工現場で多く使用する道具の一つです。主にネジ締め作業に使用されています。
インパクトドライバーはネジを締める際に
回転の力と押し込む力の二つの力を加えてネジを締めます。木材であれば比較的固い材質のものでも簡単にネジを締めることが可能です。
主に施工現場では土台の固定などに使用されています。
押し込む力が強いので見た目や精度を要求される個所の使用には向いていません。
ドリルドライバーの性質
ドリルドライバーはインパクトドライバーと異なり、
回転の力のみでネジを締めていきます。ですので、比較的見た目や精度が要求される個所に使用されます。また、ドリルドライバーでは
トルク(回転力)の調節が可能です。
電動ドライバーのボタンと機能について
回転トリガー
これはどちらの電動ドライバーにも付いている、ドライバーの引き金です。
このトリガーの押し込み具合によってドリルの回転速度が変わります。
回転の向きを変える
この写真の真ん中のボタンはドリルの回転方向を変えるボタンです。両面にそれぞれ右回転になるボタンと左回転になるボタンがついています。
電動ドライバーのライト
インパクトドライバーとドリルドライバーの両方に小型のライトが付いています。このライトはドリルが回転すると自動に点灯するようになっています。
このような照明が届かない暗い箇所に付属のライトが活躍します。
バッテリー基盤
赤く丸で囲った部分のボタンを押すとバッテリー残量が左に表示されます。青で囲った部分はインパクトドライバーの回転力のメーターです。
写真中央のボタンを押すとインパクトドライバーの回転の全体的な力が上がります。
ドリルドライバーの回転速度を変える
ドリルドライバー上部についているスイッチではドリルの全体的な回転速度を変えられます。このスイッチはドリルドライバーにしかついていません。
ビットの取り付け方
ドリルドライバーやインパクトドライバーの先端に付ける工具のことを「ビット」と言います。このビットですがドリルドライバーとインパクトドライバーとでは取り付け方が違いますので注意が必要です。
インパクトドライバーのビットの取り付け方
先を引っ張りながら工具を外します。
インパクトドライバーのビットの取り付け方はとても簡単です。チャックの根元部分を上に引っ張るとビットが外れます。なので、装着するときは付け根部分を引っ張り上げたままビットを挿入します。
ドリルドライバーのビットの取り付け方
赤く囲った部分を反時計回りに回転させるとビットを外すことができます。また、黄色で囲った部分を回転させるとトルクを調整することができます。
ドリルドライバーのビットの取り付け方はインパクトドライバーとは違いますので注意が必要です。ドリルドライバーではチャックを回さなければビットの交換ができません。手で回しながら取り外しをしてもよいのですが、効率があまりよくありませんので、プロの方はチャックを手で握りドリルの回転を左回転にしてドリルを回転させます。すると、簡単にチャックが緩みビットが外れます。取り付ける時も一緒で、チャックを抑えながら今度は右回りにドリルを回転させます。
ビットの種類
木工用ドリル
先端がとがっておりスムーズに木材に穴を空けることができます。
木工用ホールソー
ドリルビットでは開けられない配管の穴明けに使用されることが多い。
センタードリルビット
正確な下穴を空ける際に使用されます。
下穴錐(キリ)
割れやすい木材などに下穴を空ける際に使用されます。
皿取りビット
面取り加工が可能です。
フォスナービット
浅い穴を空ける際に使用するドリルビットです。
以上に主なビットを上げました。施工現場に適したビットを使用するようにしましょう。
バッテリーで動きます。
バッテリーも何種類かあります。一般的にプロが使用しているバッテリーは14.4Vの5.0Ahが主流です。
バッテリーの種類
インパクトドライバーとドリルドライバーの両方ともバッテリーで作動します。市販されている製品では12Vと14.4Vの二つが主流です。プロの現場では主に14.4Vが多く採用されています。
最近では18Vというインパクトドライバーもあります。アンペアは5.0Ahの製品が多いようです。
V(ボルト)ーとAh(アンペア)の意味
バッテリーに書いてあるV(ボルト)とAh(アンペア)どういう意味かというと、
V(ボルト)は機械のパワーだと思ってください。V(ボルト)が大きくなると機械のパワーがアップするというイメージです。
Ah(アンペア)はバッテリーの容量だと考えてもらってよいです。
Ah(アンペア)が大きくなれば長時間使用できるということです。
バッテリーの充電時間
バッテリーの充電時間はAh(アンペア)の容量に比例します。Ahが大きくなればなるほど充電時間も長くなります。5.0Ahですと充電に45分程度かかります。小容量の2.0Ahのバッテリーですと15分から20分程度で充電が完了します。
バッテリーの装着の仕方
バッテリーはドライバーの下についているボタンを押すと外れます。簡単に外れるようになっていますので、取り外しの際は落下に注意してください。
その他の機能
ほとんどのインパクトドライバーとドリルドライバーには
防塵機能と防滴機能が標準装備されています。
ですが、インパクトドライバーとドリルドライバーは精密機械の一面もありますので丁寧に扱うのが基本です。上記の機能はおまけ程度に考えておいた方が良いです。
日本の主要メーカーと製品価格
日本の主要メーカー
日本のドリルドライバー、インパクトドライバーの主要メーカーは以下の4社です。
この中で特に職人さんが愛用しているメーカーは、
日立と
マキタです。
メーカーによって機能や形など異なりますので、自分の目的や使用頻度、価格をみて何を購入するかを判断することをお勧めします。
マキタ
ドリルドライバー6千円〜6万円2.6万円
種類 |
価格帯 |
平均価格 |
インパクトドライバー |
1万円〜6万円 |
3万円 |
日立
ドリルドライバー9千円〜5万円2.3万円
種類 |
価格帯 |
平均価格 |
インパクトドライバー |
1万円〜5万円 |
2.9万円 |
パナソニック
ドリルドライバー1万円〜7万円3.8万円
種類 |
価格帯 |
平均価格 |
インパクトドライバー |
1.3万円〜7万円 |
3.4万円 |
RYOBI
ドリルドライバー7千円〜4.5万円2.2万円
種類 |
価格帯 |
平均価格 |
インパクトドライバー |
1万円〜3.8万円 |
2.3万円 |
※上記はあくまで参考値です。
インパクトライバーの使用方法
施工現場で一番多く使用されるのがインパクトドライバーです。扱い方もそれほど難しくないので、ここで基本的な使用方法を覚えてしまいましょう。
インパクトドライバーの使用方法のコツ
掌でインパクトライバーがネジに対して垂直に力が入るように構えます。ネジが少しでも材料に食い込んでしまえば、トリガーを深く握って回転速度を上げても大丈夫です。
インパクトドライバーを使用するうえで注意する点は、固定する材料に垂直にインパクトドライバーを構え、さらに掌で上からインパクトドライバーを抑えながらトリガーを押し込みます。手の抑えがないとネジがうまく入っていかないことがありますので注意してください。また、トリガーの押し込み具合によって回転速度を調節できるので、
最初の回転は遅く、ネジが少し入ったら回転を高速にして最後まで締める。のがネジ締めのセオリーです。
ドリルドライバーの使用方法のコツ
ドリルドライバーは一度にネジ度開けることは少ないです。ネジを締める前に一度細い下穴を空けます。下穴を空けることによってネジが正確にきれいに締めることができます。ドリルドライバーもインパクトドライバーと同じようにネジを締めこむ時は掌をドリルドライバーの後ろに添えて押しながらネジを締めていきます。イメージ的には
押す力8割で回転の力が2割程度でネジを締めると良いでしょう。
メンテナンス
メンテナンスで特に注意してほしいのがビットとバッテリーの2つです。両方とも値段が高いので故障すると大変です。ビットは作業が終了したら付属のケースに入れて保管しましょう。バッテリーも充電をしたら専用のケースに入れて保管しましょう。
まとめ
簡単にインパクトドライバーとドリルドライバーの特徴について説明しました。両方とも比較的扱いが簡単な工具なので、廃材などを利用して練習するのが上達への一番の道ですね。