ビルトインオーブンの交換方法工事内容を解説

設備の取り付け

はじめに

今回は、高級分譲マンションのビルトインガスオーブンの交換工事を取材しました。
ビルトインオーブンのみ新規交換をしますが、作業のためにビルトインコンロを一旦取り外す必要があります。メーカーを合わせれば、ほとんどの場合には、今回のようにオーブンだけ、もしくはコンロだけの交換が可能ですが、稀にオーブンとコンロが一体になっている商品もあります。
また、交換の際に誤って不適応な機器を接続すると、事故の原因ともなります。品番の確認・発注は確実に行いましょう。

ガスオーブンとは

ヒーターの熱で温度を徐々にあげていく電気オーブンに対し、ガスオーブンはガスならではの強い火力でスピーディーに過熱するため、高温・短時間で調理可能です。ロースト料理・パン作り・お菓子作りなどで特に重宝します。
ガスオーブンは、オーブン庫内の容積が約30~45リットルの大きめなタイプが主流になっており、オーブン機能のみが使える高速オーブン(コンベック)と、電子レンジの機能が追加されたコンビネーションレンジ(電子コンベック)の二種類があります。

新規交換にかかる費用の目安

新規交換にかかる費用の目安は交換工事費を含め、高速オーブンで約15~20万円、コンビネーションレンジで約20~25万円となります。

工事に必要な資格

ガスの配管工事には、簡易内管施行士資格が必要です。

簡易内管施工士資格は、都市ガス需要家におけるガス機器の移設工事に伴うガス栓の位置替や増設等の工事を行う際に、施工に必要な知識・技能を有していることをお客さまやガス事業者に証明する資格です。 この資格があると、(中略)フレキ管による「ガス栓増設」「ガス栓・配管の位置替」等の工事ができるようになります。

簡易内管施工士|JIA 一般財団法人 日本ガス機器検査協会

また、電気の配線工事には、電気工事士資格が必要です。

電気工事の欠陥による災害の発生を防止するために、電気工事士法によって一定範囲の電気工作物について電気工事の作業に従事する者の資格が定められております。

電気工事士の資格と範囲 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

作業手順

  • ビルトインコンロ取り外し
  • 既存のビルトインオーブン撤去
  • 新規のビルトインオーブン設置
  • ビルトインコンロ再設置
  • ガス配管工事・電気配線工事
  • 点検確認

撤去前のビルトインオーブンです。

ビルトインコンロ取り外し

ビルトインコンロのトッププレートを取り外し、固定用のビスを外していきます。

細かい部品やビスが多いため、戻す箇所がわからなくならないよう、整理して置いておきます。

ビルトインコンロを取り外した状態です。

既存のビルトインオーブン撤去

下部扉を開けます。

電気の配線・ガスの配管を取り外します。

既存のビルトインオーブンを取り外します。

新規のビルトインオーブン設置

新規のビルトインオーブンを開梱します。

前後にある補強板を取り外します。
※補強板は、輸送時の補強部品で、設置後は不要です。

今回は、機器の高さを変更する必要はありませんでしたが、開梱時の高さがワークトップの高さに合わない場合は、脚部についている黒色のネジを調整したい位置に付けかえて固定することで、10mm単位で12段階に調節できます。

前後の補強版を取り外せました。

開梱後の機器の持ち運びは、必ず二人で行います。

ビルトインオープンを取り付けました。ここから、ビルトインコンロの再設置は、撤去の際の逆手順になります。

ビルトインコンロ再設置

グリルを戻します。

細かい部品も取り外した際と逆手順に戻していきます。

トッププレートをはめます。

ガス配管工事・電気配線工事

電源コード・アース線を取り出します。

アジャスターボルト2本を台枠支持板に取り付け、機器の移動防止及び高さの微調節を行ないます。

モンキーレンチでしっかりと締めます。

フレキ配管を機器接続ガス栓に取り付けます。このとき、接続部のボルトの内側にはガス配管用ネジシール剤を塗ります。

フレキ配管のもう一端を機器ガス接続口につなげます。

アース線を台枠支持板にボルトで固定します。

電源コードを接続して、下部扉を取り付けます。

ターンテーブル、オーブン皿をセットします。

点検確認

取り付け後、機器の水平性、安定性、施工者ラベルの貼付などを確認し、試運転を終えたら完成です。

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