はじめに
ユニットバスの交換工事は、既存ユニットバス解体から新規ユニットバスの設置、仕上げまで含めると最低でも3日はかかる工事です。今回は、そのうちの新規ユニットバスの設置工事を取材しました。ユニットバスの設置は専門性が高く、基本的にメーカーから派遣された職人が作業します。
使用した道具(一部)
レーザー墨出し器
レーザー墨出し器の使い方を解説 簡単に墨出しを測る方法
電気系工事や大工系工事など、様々な工事シーンで活用される工具の1つに「レーザー墨だし器」があります。非常に便利な工具ですが、誤った使い方をしてしまうと、設備に不具合が生じてしまいます。正しい使用方法を覚えて、正確な工事を努めましょう。
下げ振り
糸の先端に逆円錐形の垂球(おもり)をつけた鉛直を調べる道具で、構造物の傾斜測定などに用いられます。
住宅紛争処理技術関連資料集 機器の名称 下げ振り(垂球)
作業手順
作業手順は以下のとおりです。
- 既存の浴室を解体
- 給排水管の立ち上げ位置を確認して施工
- 浴槽の追い炊き用循環金具
- 新規のユニットバスの搬入
- 新規のユニットバスのフロアパンのボルト足のレベル出し
- 水栓金具、シャワーフックなどの取り付け
- 排水トラップから漏水が無いかチェック
- 壁パネルを設置したら、天井を取り付け
- 全ての継ぎ目をシリコンでコーキング
- 照明器具、換気扇の接続作業
- 再度漏水チェック
- ドアの取り付け
- 浴室のドア周りの壁・床の補修工事とドア枠の造作工事、電気配線接続
既存の浴室を解体
今回の取材時には既に既存の浴室を解体した後でした。コンクリート壁や換気扇用のダクト、電気配線、給湯・給水管などがむき出しの状態です。
躯体天井は意外と高いのですが、ユニットバスは安定性を求めてあまり天井を高くはしていないそうです。
赤・青の管が給湯・給水管です。白い管は追い炊き用の配管です。
設置予定のユニットバスが収まる寸法の確保ができているかを確認します。
リビングなどの広いスペースを資材置き場、作業場として使用します。床を傷つけないために養生を行います。
新規のユニットバスの搬入のため、ドア周りを広めに開口しています。
浴室に窓がないため、クリップライトを付けて作業開始します。
給排水管の立ち上げ位置を確認して施工
排水や給湯・給水配管を、新しいユニットバスの位置に合わせて設置します。
ここでは塩ビ管用接着剤のカラータフダインを使用します。色付きなので塗布状況が一目でわかるのが特長です。
発泡スチロールを束ねて作った台の上にパイプを置き、勾配を付けながらパイプを延長します。
新規のユニットバスの搬入
新規のユニットバスを運び入れます。基本的に作業員2人で運搬します。
浴室に運び込む前に、脱衣所でユニットバスの浴槽下設備に関する作業を行います。
こちらは、浴槽の排水口と洗い場の排水口をつなぐ排水トラップを取り付けているところです。
フロアパンのボルト足を設置します。レベル出しの微調整は後程、浴室内に運び入れた後に行います。
新規のユニットバスのフロアパンのボルト足のレベル出し
ユニットバスを水平に設置するために、フロアパンのボルト足のレベル出しを行います。その際にレーザー墨出し器を使います。
墨出しを手掛かりに、レベル出しの微調整を行います。浴槽から墨出しまでの距離を計測し、
すき間から手を伸ばしてボルト足のボルトを回してレベル調整します。
レンチにこのような紐をくくりつけておくことで、手を伸ばしてボルトを回しているときにレンチを手放してしまったとしても、紐を手繰り寄せて拾うことができます。
床下の排水管と排水トラップの接続、そして給湯・給水管や追い炊き用の配管とユニットバス側を接続を行っています。
下げ振りを用いて水平性をチェックします。ズレがあれば、再度レベル出しの微調整をします。
漏水チェック
バケツに水を溜め、排水口に勢いよく流して漏水チェックをします。
隙間から手を伸ばして、排水トラップや排水管の継ぎ目から漏水がないかチェックします。
壁パネルを設置
狭いスペースにパネルを設置していくため、こちらも傷をつけないように二人がかりで作業を行います。
全ての継ぎ目をシリコンでコーキングします。
換気扇等の設置、配管の接続作業
再度漏水チェック
ドアの取り付け
最後に、ドアを取り付けてユニットバスの設置工事は完了です。この後に大工による浴室のドア周りの壁・床の補修工事とドア枠の造作工事が行われます。また、電気配線も追って接続されます。