はじめに
今回はフローリングの張り替えの際の工事費の相場や業者の選定ポイントなどをご紹介していきたいと思います。
フローリングとは
フローリングとはご存知の通り、床仕上げ材として木材が張ってあるものを指します。最近では畳からフローリングへと張り替える人も増えており、現在、最も人気が高い床材となっています。フローリングは約15~20年が張り替えの基準と言われていますが、手入れを怠ると劣化が早くなる可能性があります。
床材の価格相場 (工事費込み)
床材 | 価格相場 |
---|---|
フローリング | 約10,400円/㎡ |
クッションフロア | 約5,700円/㎡ |
カーペット | 約7,200円/㎡ |
業者任せは危険!?
フローリングの張り替えを業者に頼む際に見積もりを出してもらうことが多いと思いますが、状況によってフローリング本体の価格と張り替え工事費以外にも意外なところで料金が発生する場合があります。
下地が傷んでしまいそのまま張りつけられない場合
恐らくどの業者もそうだと思いますが、張り替え工事の際に床を開けてみると下地が傷んでしまっていたという場合は下地の補修費が別途にかかってしまいます。これらの追加費用は詳しく明記されていない場合が多いので詳しく問い合わせる必要があります。
下地調整および補修における価格相場
項目 | 価格相場 |
---|---|
下地補修費 | 5,500~7,200円/㎡ |
※あくまでご参考程度にご活用ください
ごみの処分費用
フローリングの張り替えの際に既存のフローリングを剥いで新しく張る場合、床材の撤去、処分費用が追加で発生します。
これらの工事費用がすべて含まれている場合とそうでない場合もあるので業者に相談する場合は確認しておきましょう。
フローリングの種類
フローリングには大きく分けて2種類あります。1つが天然の木材だけを使用した無垢フローリングで、もう1つは複数の合板を接着剤で張りつけた複合フローリングです。
無垢フローリング
無垢材を使用したフローリングは天然木をそのまま使用しているため湿気調節機能や独特の風合いを併せ持っています。しかしながら、無垢材は単価が高く、汚れが落ちにくい性質を持っている他に、木板自体が歪んでしまうこともあり、メンテナンスが難しいという欠点もあります。
複合フローリング
一方、合板材を使用した複合フローリングは単価が安く、木目や色にさまざまな種類があるのが魅力です。最近では、強度や耐水性などの機能性を備えたフローリングや、表面だけ天然木を使用した複合フローリングなども販売されているため、非常に汎用性が高いです。その反面、無垢フローリング独特の柔らかさなどがないため、若干硬い印象を与えてしまいます。
無垢材と合板材の価格相場の比較(工事費込み)
材種 | 価格相場 |
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無垢材 | 13,000~19,000円/㎡ |
合板材 | 10,400~17,000円/㎡ |
※厚さや樹種によって価格が多少前後する可能性があります。
こちらの表からもわかるように、全体的に無垢材は価格が高くなっており、高級な樹種の無垢材を使用すれば価格はこれよりも上がります。
また、合板材でも表層に薄い天然木を使用した木材や、耐水・防臭・防汚機能をもつフローリングがあり、平米単価が10,000円/㎡を超えるものもあります。
フローリングの工事方法の違い
フローリングの張り替え工事では大きく分けて既存のフローリングを剥がして新しく張る方法と既存のフローリングの上に重ね張りする方法の2種類があります。どちらの工事方法を選択するかによって工事費用は大きく変わるので注意が必要です。
既存のフローリングを剥がして張る場合
フローリングを剥がして新しく張り替えると、床の下地材の腐食などを確認できる点や重ね張りと比較して床の高さが変わらないという利点があります。しかし、この方法で一番ネックとなるのがフローリングを剥がすための工事費用、そして剥がした後のごみの処分費用が追加で発生してしまう点です。しかし、結局は下地材が傷んだ際に新しく張り替えることを考えるとどちらが優れているというわけではないようです。
既存のフローリングの上に重ね張りする場合
フローリングを重ね張りする一番のメリットは、工事費用を安く済ませることができる点です。既存のフローリングを剥がす必要がないため、コストを抑えることができますが、この方法では下地材の損傷などの根本的な解決策にはなりません。床の音鳴りや床の沈みが見られる場合は下地材の損傷の可能性があるので一度剥がして新しく張り替えることをおすすめします。
工事方法における価格相場の比較
工事方法 | 価格相場 |
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新規張り | 13,000~18,000円/㎡ |
重ね張り | 10,000~13,000円/㎡ |
※材種、施工範囲によって多少前後する場合があります。
安く済ませるためには
上でご紹介した方法以外にも工事費用を抑えることはできます。工事費用をさらに安く抑えるための裏技をご紹介します。
相見積もりによって比較検討する
相見積もりとは、複数のリフォーム業者に見積もりをお願いして比較を行う手法です。一見、業者にとって嫌がられる行為と思われがちですが、最近では相見積もりはよく行われています。また、あらかじめ内容を知らせておくとかえって印象が悪くならない上に、交渉などにも対応してくれることがあるのでおすすめです。
リフォーム業者はパック料金が多い
複数のリフォーム業者で比較する際、工事費用を比較することが一番なのですが、多くのリフォーム業者は工事費用が材料費や下地補修費、廃棄処理費をすべて含めたパック料金で提供しています。したがって、リフォーム費用の相見積もりをする際は、工事費用の内訳も確認してから比較するとよいです。
型落ちの商品を購入する
フローリングは常に新型が出ているので必ず在庫に残る型落ちの商品が存在します。この型落ちの商品は単価が低いので、それだけで安く抑えることができます。最近では型落ちの商品などを取り扱うアウトレットも出始めているのでそこで購入するのも良いでしょう。
自分で張り替えることは可能か?
DIYなどで自分でリフォームを行う人は近年増えてきていますが、フローリングの張り替えは自分で行うこともできます。自分で張り替えると材料費以外に料金が発生しないため、大幅なコスト削減となります。下の表を見ると、DIYでは工事に必要な資材を自分で調達する必要はありますが、業者に頼むよりもはるかに安いことが分かると思います。
しかし、自分で行う張り替え作業では工具や木材、接着剤などを自分でそろえなければなりません。また、すべて自分で行うので失敗するリスクもあり、クオリティーも期待はできません。
DIYでフローリングを張り替える際はクオリティーと値段の優先順位を考えて決めたほうが良いでしょう。
DIYによる施工例 (6畳新規張りの場合)
項目 | 価格 |
---|---|
フローリング材 (6,000円/㎡) | 57,600円 |
接着剤10kg(ウッドフロア用) | 7,000円 |
クシ目ゴテ | 200円 |
ノコギリ | 2,000円 |
合計 | 66,800円 |
リフォーム業者による施工例 (6畳新規張りの場合)
項目 | 価格 |
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フローリング材 (6,000円/㎡) | 57,600円 |
施工費 | 40,000円 |
廃材処分費 | 3,500円 |
下地補修費(必要な場合) | 50,000~70,000円 |
合計 | 151,100~171,100円 |
※施工費にはフローリング剥がし費用、養生費、接着剤代金を含む
※あくまでご参考程度にご活用ください
参考記事
また、ミライエでは職人がご紹介するフローリングの張り替え工事の方法をご紹介していますので、こちらの記事もぜひ活用してみてください。
戸建の張り替えの例
マンションの張り替えの例
まとめ
今回はフローリングの張り替えの際の工事費用の相場やポイントをご紹介しました。
フローリング工事の際は、とにかく安く済ませたいという方はDIYで行う、またはDIYをする時間の余裕はないが安く済ませたいという方は業者に依頼してフローリング材や工事方法を変えるといったように、その人の予算や目的によって使用する資材や工事方法が変わってきます。
まずは自分がどの程度安く抑えたいかを考え、それに合わせてフローリング材や工事方法を決めていくと良いでしょう。
フローリング工事を行いたい方は是非参考にしてみてください。

