はじめに
今回は水道用の止水栓と排水部をつなぐフレキ管の切り方をご紹介します。フレキ管とはフレキシブルパイプのことで自由に折り曲げ可能な配管です。ただし無理やり曲げてしまうと、水漏れやサビの原因になるので注意して取り扱う必要があります。
作業時間
作業としてはフレキ管の切断、ナットの取り付け、ツバ出し加工を含めて約10分程度で終わります。
服装
動きやすい格好であれば何でも大丈夫です。
使用する道具・資材
フレキ管
今回は巻フレキと呼ばれる必要な長さだけ切り取るタイプのフレキ管を使用します。
フレキ管の種類
巻フレキ
実際の施工現場に合わせて最適な長さだけ使用することができますが、フレキカッターと呼ばれるフレキ管専用のカッターやツバ出し工具が必要となります。巻フレキでは1巻あたり10m程度で購入するので何度も工事を行う職人の方などが良く使用しています。
カットフレキ
カットフレキは、あらかじめ所定の長さに切られた状態で販売されています。巻フレキと異なり、フレキカッターやツバ出し工具が不要なので、購入してすぐに取り付けることができます。
フレキカッター
ステンレスフレキ管専用カッター(株式会社スーパーツール)
フレキ管を切る際に使用するフレキ専用のカッターです。
ツバ出し工具
フレキ管の両端をプレスしてナットが外へ出るのを防ぎます。
ツバ出し工具の種類
ギアレンチ式
ツバ出し工具でプレスする際にレンチを使用して締めていくタイプです。
ラチェット式
ツバ出し工具にレンチが取り付けられているタイプです。ラチェット式では順方向に回すとと締めることができますが逆方向に回すと空回りする仕組みになっているため、常に力が入りやすい位置で効率よく締めることができます。
ハンマー式
フレキ管に専用の機材を取り付け、ハンマーでたたいてプレスしていくタイプです。
電動式
フレキ管を工具に取り付け、電源を入れるだけでツバ出しをしてくれるタイプです。
ナット
フレキ管がつなぐ両端を固定するために使用します。
メジャー
切断するフレキ管の長さを測ります。
マジックペン
今回は印をつけるときに使用します。目印になるものであれば何でもOKです。
フレキ管の切断
必要な長さをメジャーで測る
配管に必要な長さをメジャーで測り、マジックペンで印をつけていきます。実際の長さよりも長めに切っておくのがコツです(ちなみに余ったフレキ管は曲げて収納できます)。
ポイント
この後、ツバ出し加工で用いるために、使いたい長さよりも3つ分長く印を付けるようにしましょう。
フレキカッターで切る
ポイント
ひねりの部分を少しずつ締めていくようにすると潰れることなく切断できます。
ひねりの部分を1周させて刃を回す操作を何度か行っていくと、パキっと音がしてきれいに切れます。
このような感じで切れました。
ツバ出し加工
ツバ出しとは
ツバ出しとはフレキ管の先端に施すプレス加工のことで、ナットとの接続部分を固定させる役割があります。
ツバ出し工具の使い方に注意!
まずツバ出し工具にフレキを挿しこんでいきます。
プレスする山は3つ分がベストです。なので、山3つ分が出るまで挿し込んでいきます。
グリップの部分を持ち上げ、フレキを挟んでいきます。
ネジで固定する部分があるのでネジ部を起こしてからネジを時計回りに回して締めていきます。
次にレンチを時計回りに回して潰していきます。
徐々に固くなってくるのでしっかりとグリップで支えてあげます。
今回使用したツバ出し工具はラチェットタイプなので、一番力の入る姿勢でちょっとずつ潰していくのがおすすめです。
ツバ出しが終わったら、ネジを緩めてフレキ管を取り出します。
ツバ出しがちゃんとできているかチェックします。プレスした部分が甘かったり傾いていると漏水の原因になります。
逆にプレスをしすぎても亀裂が入り、漏水につながりますので、上の画像を参考にして行うとよいでしょう。
ナットの取り付け
反対側のフレキ管をツバ出しする前に固定用のナットを2つ入れておきます。
※ナットはそれぞれ外側を向くように入れていくのを忘れずに。
反対側のツバ出し加工
先ほどのツバ出し加工と同様の作業を行っていきます。
これでフレキ管の準備は完成です。
水栓の取り付けの際はパッキンを忘れずに!
- フレキ用パッキン(ノンアスベスト)
実際に水栓に取り付ける際にそのままナットを締めてしまうと隙間から水が漏れてしまいます。
取り付ける際はパッキンやシールテープなどで隙間を埋めてあげましょう。
フレキ管を曲げるときの注意点
フレキ管は自由に折り曲げられる利点がありますが、間違った使い方をしてしまうと漏水の原因になります。こちらでは正しくフレキ管を使用するための注意点をご紹介します。
- ナット部分に近いところで曲げない
ツバ面がゆがんで水漏れの原因になります。
- 何度も同じ箇所を曲げない
金属疲労などで破損する場合があります。
- 強く曲げ過ぎない
フレキ管を強く曲げすぎてしまうと、負荷が大きくかかってしまい、破損の原因になります。
まとめ
今回の施工で気をつけておくべきポイントとしては、
- フレキカッターは少しずつ切断していく
- ツバ出し加工ではしっかりと潰す
- フレキ管の曲げ方に気をつける
の3点です。
フレキ管工事は意外と簡単にできますので、チャレンジしてみてください。

