壁に空いてしまった穴を修復して元通りにする方法を解説しています。住宅で壁に穴が空いた場合、その壁は石膏ボードと呼ばれる壁材です。壁穴の大きさによって直し方は何パターンか存在します。
壁に穴が空いてしまった
クロスが貼ってある一般的な壁の下地の多くは石膏ボードになっています。石膏ボードは基本的には丈夫ですが、一点に加わる力には弱く点で衝撃が加わるとご覧のように脆く砕けてしまいます。
石膏ボードが破損したときは破損部分を取り除いてから詰め物をしたり、別のボードを移植して平らにします。穴が空いた状態でクロスを貼ってごまかすのはNGです。
補修は一般的にはパテで補修しますが、大きく崩れているなら新しいボードを小さく切って、その部分に移植します。
その方法を石膏ボードを使って実験的に再現したのがこちらの記事です。
今回はこれの応用編として、実際の現場での補修を解説します。
小さめ〜中サイズの穴を補修
まずはこのぐらいの穴の補修です。だいたい握りこぶしくらいでしょうか。
これならテープを貼って、その上をパテで埋める方法で直します。
アルミテープを貼る
メッシュテープを貼る
次はメッシュテープという目の細かい網目のテープを貼ります。これはアルミテープに直接パテを盛るより食い付きを良くする効果があります。
石膏パテを練る
それではテープ補修した箇所に盛る石膏パテを作っていきます。石膏パテの作り方は上記で紹介した石膏ボードの補修 石膏パテを下塗り・仕上げ塗りで仕上げるでも詳しく扱いました。
パテを盛る
あとはパテが乾くのを待ちます。かけた厚さ、気温や硬化剤の混ぜる分量によって乾燥までの時間は変わるので、だいたい1~3時間をみて触って確認するといいでしょう。
サンダーをかける
パテがなだらかに盛れていればサンダーを掛ける必要はありませんが、補修だとどうしても少し盛り気味になっているので80~100番のサンダーでパテ表面を削っていきます。
2回目のパテをかける
1度かけただけでは表面のなだらかさが不十分なので、粒度の細かいパテでさらに段差を埋めます。
完了
これで作業は終わりです。補修箇所の色が白くないので補修跡がわかりますが、当然この上にクロスなど仕上げ壁材が来るので下地はこれで問題ありません。重要なのは平らに、なだらかにすることです。
大きい範囲の石膏ボード補修
次はテープ+パテ補修では対応しきれない、大きいサイズのボード補修方法について説明します。
穴が大きいことに加えてまだ崩れていない穴の周辺も水分を吸ってかなり弱くなっているので、この一帯のボードを補修する必要があります。
補修用のボードを用意
補修箇所のサイズを測って、新しいボードを切る際に何cm×何cmで用意すればいいかを割り出します。
ある程度切れ目を入れたら両側からパキっと折れます。ただし、石膏ボード表面には紙が貼ってあるので、これをしっかり切らないとうまく離れません。
破損ボードを切る
下地を作る
解決策は適当な角材を壁内に増強してそれを下地にするというやり方です。
もちろんボードを貼った時にちょうど壁が平らになる位置で木材を配置しなければいけません。
ボードを取り付ける
ビスはこのぐらいのサイズであれば縦の辺に4,5本、横に辺に3本程度です。
面取り
住宅で多く使われる石膏ボードはベベルボードという角がやや削られたボードになっています。これによって多少ジョイント部分のボードがずれても完全に平らなものをジョイントするよりパテでなだらかにしやすい性質があります。
パテを盛る
あとの工程はだいたい他と一緒です。石膏パテを下塗りと仕上げ、必要があればもっと回数をかけて壁がなだらかになるまでパテをかけます。
まとめ
いかがでしょうか? いきなり未経験の方がボードを継ぎ足す補修をするのはかなりハードルが高いでしょうが、小さい穴の補修であれば道具を用意してやってみても良いかもしれません。
いずれにしても専門知識と経験が必要な作業です。不安があるなら信頼できる職人さん等を見つけて手伝ってもらいましょう。

