賃貸オーナーにとって最大の悩みは空室です。空室が続く場合に賃料を下げたほうがいいか、内装や外観に投資して賃料を維持すべきかの判断が大きなポイントです。賃料の引き下げは数千円でも部屋数と期間を考えれば相当額になりますが、かといってリフォームして改装したとしても入居が決まらなかったら元も子もありません。
賃料を下げることの見方を変える
もし80,000円の空室物件があったとして、これを3,000円値引きにすると賃料は77,000円です。しかし逆の考え方をすれば本来80,000円の収入を得た状態で毎月3,000円出費を出しているのと同じとも考えられます。
ひとまず2年契約として3,000円引きは24ヶ月で72,000円の分割払いと同じ意味があります。それならもし7万円程度の出費で賃料の引き下げが回避できるならやるに越したことはないのです。
物件の最大のマイナス点は何か
各物件には長所もあれば短所もあります。このうち駅が近いとか、近所に風俗店があるというような立地の強み・弱みは変更ができません。しかし、アパートの外観が汚いとか、ゴミ置き場が狭いというような住環境は改善可能です。
そこで今回は比較的低コストに物件のマイナスをなくす施工をご紹介します。
ローコストに設置できるアイテム
温水洗浄便座(ウォシュレット)
安いものだと約2万円から本体は購入できます。施工費も依頼したとして1万円台で可能でしょう。
案外DIYで取り付けるのも簡単なので、大家さんが自分で取り付ければたった2万円程度の投資で済むものです。
DIYでウォシュレットを取り付けたい方
エアコン
地域にもよるでしょうが、最近ではエアコンがない物件は大きな減点です。小さい部屋なら本体価格4万円前後のものでも大丈夫です。
取付費用に2万円かかっても6万円程度の出費にしかなりません。
モニター付きインターホン
女性からの人気が非常に高いアイテムです。
モニター付きインターホンは本体価格1万円前後、取付費が2~3万円前後であわせて5万円以内で取り付けられます。
なお、モニター付きインターホンの取り付けには電気工事資格が必要な場合があるのでDIYには注意してください。
さらに最近では類似商品として工事が不要のワイヤレスドアモニターが普及しています。これなら本体価格の13,000円程度しかかかりません。独身女性の入居希望者がなかなか決まらない時は取り付けを強くオススメします。
IHクッキングヒーター
最近では電気コンロ(電熱器)を見ることがあまりないので、ワンルームだろうとキッチンがこれだと古臭い印象を与えてしまいます。若い世代には使い方を知らない人も多いでしょう。
本体価格1~2万円前後、取付施工費も1~2万円程度で合わせて3~4万円前後の工事です。見栄えと第一印象、それと長期的な安全面では割安な投資ではないでしょうか。
室内物干し
これも女性人気の強いアイテムです。とくに低階層で屋外に下着を干すのに抵抗がある方や、室内干しが多い人が大勢います。
オススメはこのホスクリーンという着脱可能な室内物干しです。
これなら不要なときに取り外して狭いお部屋を広々使うこともできるので融通が効きます。金額も1~2万円前後で取り付けできるでしょう。
ダウントレンドのもの
逆にコストに対して案外トレンドが縮小しているのではないかと思われるのはインターネット固定回線です。とくに若い世代ではパソコンの保有率が下がり、スマートフォンで完結する人が意外にもかなり増加しています。
また、WiMAXのように持ち運びできる回線端末を持つ選択肢も出揃ってきました。
いまやインターネット固定回線が差別化ポイントとして注目を浴びるわけではないので、それならこだわりを追求したオリジナリティのある物件のほうが魅力的かもしれません。
物件の特徴を理解して
重要なことは入居希望者に住みたいと思ってもらえるように、入居者の目線で考えることです。学生が多いなら駐輪場がほしいとか、女性ならセキュリティを大事にするなど、ターゲット層を意識して入居者に気に入ってもらえるように努力と創意工夫を重ねてみましょう。

