ウッドデッキ施工の解説後編束柱・大引・根太の構造を作る

エクステリア(庭・外構・舗装)のリフォーム

ウッドデッキ取付施工、解説の後半です。前回までで束石を地面に固定したので今回はその上に構造部である束柱・大引・根太などの構造を組んでいきウッドデッキを完成させます。

前編はこちら!

ウッドデッキ施工の解説 前半 束石の設置

今回はウッドデッキの取付施工を取材しました。今回扱っているのはDIY用のものなので、頑張れば個人の方でも材料を入手・施工するのは可能です。今回はデッキの土台となる束石を固定するところまで紹介します。

ウッドデッキ施工の解説 前半 束石の設置
2015/11/26 09:44

束柱の長さを調整

前回までに設置した束石の上に柱となる木材が乗ります。これを束柱(つかばしら)といいます。

これも今回使うセットの中に入っていてそのまま使うことも可能ですが、実際に置いてみると少し家の掃き出し窓と高さが合っていないので調整する必要がありました。

一番奥の

束柱は奥のものが正しい置き方で、真ん中と手前は逆さになっています。
一番奥の束柱の長さ(調整済み)が室内と高さが同じになる長さですがキットのものをそのまま使うと長さがだいぶ高く見えます。

DIY用のものは確かに準備も便利ですし一通りの作業手順もついていて分かりやすいのですがこのようなミスマッチが発生したときには逆に調整が面倒なことがあるので、その点にも留意しましょう。
現場の大工さんに伺ったところ、キットを使うほうが逆に難しいことがあると言います。

束石の上に束柱を逆さに置いてレーザーですべてが同じ高さになる位置を図って鉛筆などで印をします。逆さに置くのはレーザーで目印を付ける位置をそのまま切ってからひっくり返すためです。

上からの位置を測る

掃き出し窓からの長さを測ります。あとはサッシ枠の下でレーザーで水平を取って、そこからの距離が同じになるように切れば良さそうです。

注意点ですがこのときに束石からの距離を一定にしてはいけません。なぜなら束石は水平にしてはいますが同じ高さになっている保証はないためです。
束石の水平を保証するのは大変な作業なので、その上の束柱の長さを調整してその上が水平になるようにします。

束柱を切る

鉛筆と定規で束柱の周に線を引いて、この線に合わせて丸ノコで切ります。

このキットは三枚の板がセットになっていて、真ん中の板が上で突き出す構造になっています。突き出す長さが同じである必要があるので、切ってバラバラにしても長さを図ってもとに戻し、ビス止めするという手間が発生しました。

長さを調整したら束柱を束石の上に戻しますが、当然それぞれの位置ごとに長さを調整したのでそれぞれもとの位置に戻します

大引を束柱に止める

今並べた束柱に今度は大引(おおびき)という木材を乗せて固定します。
今回はウッドデッキの床板(上板)が室内から室外の方向に配置される縦張りです。大引の向きはこの上板と同じ向きになります。

2枚の板で

2枚の板で束柱を挟んで穴にボルトを通して固定します。(このあたりは各キットや施工によってビス止めするなど対応が異なるかと思います)

外壁にピッタリ合わない時

建物の外壁

大引がこのように建物の構造上外壁に合わず、少し見栄えが悪くなっています。
基本的に合っていなくてもグラついたりすることはないでしょうが、せっかくなので大引もこの分木材を切って調整します。

ノコギリで切る

細かい部分は丸ノコでなく手引きのノコギリで切り落とします。
このようなキットの木材は失敗してしまうと材料を再注文しないといけないので注意してください

はめる

これでぴったりと位置に収まりました。

全ての大引を取り付ける

全ての大引を取り付け終えました。
ちなみに束柱の固定はまだしていません。というより、固定する必要もあまりないのですが稀に床がミシミシ音が出ることがあるのであとでウレタンのボンドを塗布します。

根太を取り付ける

次は大引の上に根太(ねだ)を取り付けます。根太は最終的にウッドデッキの上板となる板を打ち込む下地になります。

根太を置く

このように大引とは垂直の向きに取り付けます。
これはただ置いているだけです。

対角を測る

根太を並べ終えたら2つの対角を測ります。当然長方形の対角は等しいはずなので、異なると歪みがあるので動かして調整します。

対角を固定する

適当な木材を打って対角を固定します。これで歪みを抑えます。

間隔を測る

根太の間隔が等しくなるように計算して正確な位置に印をしています。

下穴を開ける

ビスの下穴

いきなりビスを打っても木材が奥まで刺さっていかないので、先に下穴を開けておきます。

あとはビスを打って大引に固定するだけです。これをすべての根太で行います。

すべて打ち込んだ

すべて打ち込みました。根太が固定されたらもう対角の仮板は不要なので外してもOKです。

ボンドで接着

束石にボンド

ウッドデッキの構造がある程度できたところでそろそろ束柱をボンドで固定します。

ウッドデッキの床板(上板)を張る

いよいよ仕上がりが見えてきました。ウッドデッキの床板になる木材を根太に打ち込んでいきます。

床板を並べる

床板を並べています。

写真で気づいたかもしれませんが日付が変わっています。初日には束石の設置から根太の固定まで行いましたが、時間的には束石の設置までに5時間程度、そのあとの束柱から大引・根太で2,3時間程度かかっています。
このことからも基礎づくりに時間がとられることを計算に入れたほうが良さそうです。

板の長さを調整

丸ノコで切る

板の長さが長かったので、少し丸ノコで切っています。

皿もみ(皿とり)

同じように下穴を開けてからビスを打てばいいのですが、そのままだとビスの頭が少し出てしまいます。
そこで皿もみ(皿とり)といって、ビスの下穴の入り口を少し円形に繰り抜いてやることで、ビスの頭を沈み込むようにします。

皿取り

皿取りビットを取り付けたドライバーで下穴の入り口を少し加工します。

皿もみ後

ビス穴が少し削れているのでビスの山がすっかり収まっています。

スペーサーを詰める

ウッドデッキの上板の隙間にスペーサーという部品を通します。これは上板の間隔を一定に保つために使う資材です。

スペーサー

この黒い小さい部品がスペーサーです。これは塩ビかなにかでできてると思います。
隙間にこれを通して、根太の上にくるようにします。

上板を並べた状態だと脇から差し込んでポンチのような先が細いもので間を通すといいでしょう。

ビスで固定

スペーサーの種類によると思いますがこれはビスで固定するタイプなので根太の上の位置でビス止めします。

枠を取り付ける

ほぼ形になってきました。仕上げにコーナー材を周辺に取り付けます。

クリップで固定

クリップでコーナー材を枠の位置に固定します。

皿とり

皿もみします。

均等にビスを打つ

均等にビスを打つ

このビスは仕上がった表面に見えるものなので間隔が等しくなるように測りながら打つ必要があります。

完成

これで完成です。(写真のフェンス・花壇は別の工事で作りました)

完成

完成しました。

ウッドデッキは約1.5日~2日程度で完成しました。
ウッドデッキは掃き出し窓からの出入りを考えると人気のアイテムでDIYをする方も多いと思いますが、細かい調整であったりちゃんと基礎を作る、水平を取るなどはやはり大変な作業です。DIYでやる場合はしっかりした事前準備を、依頼するなら信頼できる業者・職人さんに頼みましょう。

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