ダイノックシート(リアテック)の貼り方の基礎を解説しています。今回は扉の平場に貼る最もシンプルな貼り方です。初心者の場合でも比較的簡単に貼れます。
ダイノックシートとは
ダイノックシートは3Mから発売されている化粧シートです。サンゲツから発売されているリアテックもほぼ同じものです。
一言で言えばシールですが、表面の強度が非常に高いので建材の上に貼ってもなかなか傷つかず、長持ちします。
またカラーバリエーションもかなり豊富で木目が印刷されたもの、大理石のようなものなどラインナップが充実しています。印刷面の木目も木と同じように溝や凹凸があるので、本物の木材の上に貼っても自然な仕上がりになります。
施工箇所
今回はキッチン台の収納扉の表面に貼っていきます。その他では玄関扉やドア枠、出窓の天板や風呂の壁などにも施工可能です。
施工に必要なもの
ダイノックシート貼りの施工で一般的に必要な工具を紹介します。
ポリエステルパテ(ポリパテ)
プライマー
うすめ液(シンナー)
シールを貼る時に貼り付ける面が汚れているとすぐにシールが剥がれるように、ダイノックシートの貼付け面も可能な限り綺麗にしないといけません。
スキージー
その他
そのほか、シートを切るための地ベラ、カッター、定規、シンナー・プライマー用の刷毛や布を用意します。
ドライヤーも用意しておくと熱でシートを曲げたり伸ばす際に便利です。
貼り方
下地を綺麗にする
プライマーを塗る
プライマーを塗る方法は下地の周囲にだけ塗る場合、下地全面に塗る場合があります。
判断として下地の表面がつるつるしていたら何もしなくても密着度が高いので周囲にだけまわすようにして、ざらざらなら全面に塗ります。
裁断
シートはクロスのようにロール状になっているので、必要な寸法に合わせてあらかじめ合わせておく必要があります。
だいたいプラス5cmくらいとればいいでしょう。
例えば扉の側面に厚みがあって、ひとつなぎで巻いて貼るなら厚みの分も加算します。
シートの裏には10cm四方のマスが書いてあります。例えば65cmで切りたいなら、マスが6.5個です。
定規を当てて切る
これは120cmのセーフティ付きの定規です。セーフティというのはカッターがズレて定規から脱線してもセーフティがガードして添えていた手を切らないで済むためにあります。
寸法の確認
離型紙の一部を切り離す
力を加えすぎると
ちなみにシートは紙よりも薄いプラスチックに近い材質で、破けるというよりは割れる感じになります。
貼り付ける
離型紙を少しずつ剥がして、それと合わせてスキージーで少しずつ張り付き面積を広げます。
離型紙を一度に剥がさないことです。一気にはがしてしまうと貼り付ける前に空気中のホコリを拾って接着が弱くなってしまいます。
はみ出た部分を切る
切断した縁をペーパーがけする
あとは他の扉も同じように貼ります。
空気が入ったら
ここからは不要なシートを使ってシワになったり失敗したときの例を試してみます。
穴開け
空気を逃がし終えた
もっとひどいとき
そこで剥がして貼りなおしたほうがいいのですが、下地が塗装面だったり剥がすことで破損する場合もあるので、そのときはさらに重ね張りします。
限界まで小さくする
で、このうえに別のシートを貼っていくわけですがそのまま貼ると貼付け面がなだらかでないので、塊を削ぎ取ります。
このあとで削いだ穴には紹介したポリエステルパテを埋めて、完全になだらかにした上で新しいシートを貼ればいいわけです。
まとめ
今回はもっとも基礎的な貼り方を紹介しました。
このぐらいのサイズの平面だけを貼るのは簡単です。これが例えば玄関扉のように大きくなったり、枠が微妙に曲線状になると少し難易度が上がります。

