クッションフロアを部分的に貼り替えて補修する方法

クッションフロア

破け、穴、凹み、傷ができたクッションフロア(CF)を同じ材料を用意して部分的に貼り替えて補修する方法を解説しています。

補修箇所

これが今回補修する箇所です。

深くえぐれている

深くえぐれています。尖ったものがぶつかったり落下するとこのように削れてしまいます。
ペットを飼っている場合、犬・猫の爪あとでもCFは破けます。

引きずったような跡

冷蔵庫など重い物を引きずったような跡があります。

このように大きくえぐれたり、広い範囲でCFが傷んだり変色していたら部分的に張り替えることをオススメします。

部分的に張り替えるために

今回は約70cm×50cm程度の範囲を部分的に貼り替えます。
貼り替えには代用となる材料が必要です。これが準備できれば楽なのですが、膨大なカタログの中から全く同じ材料を探し出すのはかなり難しいのと、メーカーですでに廃盤になっているケースも多々あります。
入手できない場合は洗面台の下など目立たないところから必要なだけ切り取って貼ることになりますが、全く同じじゃなくともかなり似ている材料を用意したり、もう少し大きい範囲を貼り替えて継ぎ接ぎに見えないように工夫するなど、現場ごとに創意工夫が必要です

同じものが用意出来た

今回運良く全く同じものを見つけることができましたが、色や幅が少し違ったり、そもそも全く同じでも色あせで違う材料に見えてしまうこともあります。

小さい範囲で

目立たない場所から移植する際に大きく材料が用意できなければ最小限のマス目で張り替えれば目立ちません。

施工解説

ソフト巾木を剥がす

ソフト巾木が貼ってある場合、CFを貼ったあとに巾木が上から貼られていることが多いです。そうするとCFの上に巾木が来ている格好になるので、壁際で綺麗に仕上げたければ巾木も貼り替えましょう。

カッターで

ソフト巾木とクロスの境をカッターで切って刃を立てれば剥がせます。
クロスが一緒に剥がれないように注意します

だいたいの大きさに切る

用意した材料を貼り替えたい箇所の上に乗せて、必要な大きさにまずざっくりとカットします。

カッターで

カッターでざっくりと切っています。下地(今貼ってあるCF)は切ったり、傷つけないように注意してください。

パーキリ

パーキリ

壁際にはパーキリという工具を使ってサイズを合わせます。定規で一直線に切って壁に合わせると、壁が歪んで狂っていると合いません。

パーキリがなければ壁の隅にしっかり押し当てながら少しずつカッターで切っても構いません。

テープで止める

テープで止める

今度は正確にCFを切るので、パーキリで切った壁際に合わせながら補修範囲をすべて覆うようにテープで止めます。

上から切る

定規・カッターで切る

長い定規を当てて、よく切れるカッターで上から下地ごと切ります。
これは一直線に切りたいので定規は切りながら動かしてはいけません

長い定規は左手と片膝で押さえます。膝の固定が甘いと切ってる途中にぐらっと線が曲がるので注意します。
この要領で四辺を切ります。(ただし今回一辺は壁際なので三辺で切っています)
CFに溝がデザインされていればそれに沿って切ったほうがいいでしょう。今回縦は溝に沿わせることで継ぎ目が目立たずに済みます

剥がす

上からしっかりとカッターの刃が入っていれば下地のCFを剥がせます。

カッターの刃先を入れる

下地の切れ目を端からカッターで起こします。

綺麗に剥がしてください。

剥がす

端から持ち上げてベリベリと剥がします。力任せに引っ張らず状態を見て少しずつ剥がしたほうが綺麗に剥がせます。

破けた

剥がす際にちぎれたり破けるとこうなります。新しい材料を貼る前に下地を平らに均さないといけないのでなるべく一度に剥がしましょう。

材料を乗せて確認

確認

剥がした下地の範囲と材料の大きさが合っているか、溝や模様が自然につながるかを確認します。
重ねて切っているので同じ大きさのはずですが、仮に材料のほうが1,2mm大きくてもうまく収められると思います。逆に材料が小さいと隙間が空くので材料を用意しなおしてください。

下地を綺麗にする

今回の下地はモルタル(コンクリート)です。マンションの場合CFの下地はモルタルのケースが多いでしょう。それか、古いCFやフローリングの上に敷いてあったケースもあります。
いずれにしても下地はなるべく平らな状態に近づける必要があります。モルタル下地では不要ですが、必要があればパテをかけたほうがいいでしょう。

端に残ったカス

端に残ったカスを極力取り払います。
端にカスが残ったまま材料を貼るとカスの上に新しい材料が乗っかって継ぎ目に段差ができてしまいます

接着剤を塗る

接着剤を塗る

下地を綺麗にしたら床用接着剤を敷きます。

奥も

奥のほうでめくれているのは古いCFを剥がしたときに一緒に剥がれてしまった部分です。
ここは貼り替えないのでそのまま接着剤を塗りなおして戻します。

貼り付ける

材料を置く

接着剤を敷いた下地の上に用意した材料を置きます。

材料を置く2

ゆっくりと継ぎ目を合わせて、継ぎ目が段差になっていないか、材料の下に何か挟まったりしてないかを確認しましょう。

ローラーで

継ぎ目からローラーでしっかりと圧着します。

段差を確認

必ず手で触って段差がないか確認します。段差があればそこから少しずつめくれて、最終的に剥がれる原因となります。

シームシーラーで接着

シームシーラー

シームシーラーは大変強力なCF用接着剤です。これはCF同士を密着するのに使います。

継ぎ目に

継ぎ目に適量塗ります。直線上に細く、塗った部分が光沢になって見える程度がちょうどいいです。

乾くまで待つ

シームシーラーが乾くまで5分程度かかるので、念のため10分は貼り替えた部分に乗ったり歩かないようにしましょう。

乾くまで待つ

シームシーラーを塗った部分は光って見えます。このようにシームシーラーは実は返って継ぎ目が目立つデメリットはあるものの、かなり強力なので継ぎ目が割れなくなります。

まとめ

今回は少し大きめにCFを部分補修する例を解説しました。この方法は3cm×3cm程度の非常に小さな補修でも同じです。
おそらく施工以上に同じ材料を探し出すことが難しいでしょう。リフォームの現場では洗面台の下、居住している住宅ならソファの下から切り取るなど工夫してみてください。

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