第9回は突き付け貼りと入隅を切ってコーキングしてつなげる方法を実演します。これも今まで紹介した知識の組み合わせになります。
突き付け貼り
突き付け貼りについては第5回で詳しくやりましたが、スリッターでクロスの耳を落としていることが前提になります。
突き付け貼りで3枚目を貼る
3枚目を貼ります。このとき3枚目は左の入隅にぶつかるので、あらかじめ入隅の確認をします。
ローラーで端を押さえる
弛ませて貼る
クロスを貼りますが、横方向に弛ませるのがコツです。
縦1mをしっかりと
位置を微調整
位置を微調整します。このとき突き付け部分の隙間が空いているのはわかりやすいですが、逆に寄りすぎて重なっているのは見落としがちかもしれません。重なっていたら乾いても継ぎ目が消えないので、重なりがあったら逆方向(左の方向)に力を加えてずらし重なりを下ろします。
左の位置を決め直す
撫でる
これで上半分は左右ともいい感じの位置に来たので、撫刷毛でエアを抜いていきます。
横方向に撫でるときに強く引っ張るとジョイントが開くことがあるので横は優しめになでます。縦はある程度強くても大丈夫です。
下半分も
上半分ほどが貼れたらしゃがんで下半分にかかります。
角ベラでしごく
全体的にクロスを貼れたら角ベラで入隅や廻り縁、巾木との接線をしごいて角を出してやります。
余ったクロスを切る
廻り縁や巾木、入隅でクロスが余った部分を切っていきます。地ベラはすでに貼ってあるクロスに合わせて廻り縁・巾木にかかる部分は厚ベラを使いますが、入隅は上からコーキングして収めるので薄ベラで切って隙間を作ります。
ヘラの当てる方向とは、このヘラは手前から奥に当てている(右の壁に重なっている)わけですが、これを左から当てる(左の壁に重なる)と意味が変わるということです。
切り口の糊を拭く
出隅の巻き方
次のクロスを貼る前に次は出隅にクロスがかかるのでこの巻き方を説明します。
普通、出隅は切らずにそのまま巻いて貼ります。このとき注意しないといけないのは出隅の上下の角(チリ)を破いてはいけない点です。
言葉で説明してもどういうことかわからないと思うので、駄目な巻き方を実演してみましょう。
駄目な巻き方
実験なので小さいクロスを使っています。この出隅は幅がある程度あるので順番通りに貼っていきます。あまりに幅が狭ければ左から貼ってもOKです。
片面を全体的に貼って上下を角ベラでしごいたところまで行ったと仮定します。巻くためには上下を切る必要があります。
チリが破けた
これは出隅の典型的な失敗例です。こういう仕事をしている職人さんもけっこういますが、これじゃ駄目です。
きれいな巻き方
この対策は簡単で、先ほど出隅の角ちょうどから切り出した部分を少し先まで切ればいいのです。
そのまま巻きます。

