クロスを天井に貼る方法基礎編

クロスの貼り替え方 基本編

今回から実際にクロスを貼って解説していきます。第6回は天井の貼り方です。実際の現場で貼るのはかなり練習がいると思いますが、やってること自体は壁の平場を貼るのと大差ありません。

練習台の天井

本来であれば天井を張る際には脚立とアルミの足場板などを組み合わせてそれに登りながら貼ります。脚立一つだと貼りだしたところから移動できません。
ただ、今回は練習台なので足場に乗らなくとも届く高さです。したがってそのまま作業しています。
また、練習台の天井は1枚で貼れる大きさです。普通は1枚(幅90cm)で貼れる天井よりも複数枚をつないでいって貼るものが多いでしょう。

糊は濃く

壁以上に天井は貼ったところから重さで落ちてくるので糊を濃い目にして接着力を強めます。

テープを取って広げる

材料を広げる

カットテープを取ってクロスをある程度広げます。

前回のおさらいもかねますが、カットテープはクロスの端の糊が乾くのと、隣接するクロスを貼っていくときに糊が隣のクロスの表面につかないようにするものです。だから1枚で貼るときはいらないのです。

天井の端から1mしっかり貼る

貼り始める場所を貼り出しといいますが、この貼り出しをビシッと決めるのが重要です。なぜなら貼り出しの接着力が弱いと、手を移動して貼り付け面積を広げようとした時に貼り出した部分からクロスの重さで剥がれてくるからです。

1m張出し

1mを壁際でビシッと決めるのが重要です。

そのまま縦の際(きわ)に合わせる

貼り出しを横の際とすると、今度は縦の際を合わせます。手で押して位置を決めます。

図で説明すると、ピンクの部分を壁際の貼り出しとして、そのまま緑色の矢印の方向をあわせて行きます。

ある程度貼れたら撫刷毛で広く貼らせていきます。

見えないですが、左手で下がっているクロスを押さえています。

進行方向に進める

あとは右手に撫刷毛、左手でクロスの両端を押さえてそのまま貼っていく方向に進みます。ある程度貼れたら戻って撫刷毛でエアを抜きます。

押さえること

途中で両手を離すとすぐにクロスが落ちてくるので、必ずどちらかの手で押さえます。
材料の下のほうをめくる等で両手を使う場合は肘で押さえます。

撫刷毛のコツ

撫刷毛を使うときは必ずクロスの縦方向に沿って、中央から外になでてやります。

矢印の方向が縦です。横を撫でるときも縦のラインから少しずつ横に曲げるようにして、横方向にかけるときは優しくなでます。

なぜなら、今回は1枚ですが普通横に複数枚のクロスが並びます。このとき横方向に強く撫でる(=のばす)と、クロスの端の位置が微妙にずれてしまいます。クロスが隣接していれば数mmの狂いでも継ぎ目が重なったり離れたりするので横にずらすとまずいのです。
縦にかけていれば多少縦にずれてもさほど問題ありません。

余った端を切る

ある程度貼れたら壁際で余ったクロスを切り落とします。

角ベラでしごく

角ベラでクロスを際にしっかりと収めます。ここが丸くなっていると切ったときに綺麗に収まりません。

角ベラ

角ベラは竹のものとステンレスのものがありますがこれは竹のものです。

全体を角ベラで押さえます。ちなみにこれを地ベラでやるとクロス表面を切ったり破ける原因になります。

角を折りたたむ

角を折りたたむ

角でクロスを折りたたみます。折りたたむ方向はどちらでも構いませんが綺麗にたたまないと角が破けてしまいます。

地ベラを当てて切る

地ベラを当てて切る

折りたたんだ角から地ベラを当てて、カッターを沿わせて切ります。カッターの刃は頻繁に折って常によく切れるようにしてください。
切り始めの先は切りにくいのでちょっと強めに切り始めるとちょうどいいです。

悪い例

ヘラにたいしてカッターが浮いている

ヘラに対してカッターが起きて(浮いて)います。これだと地ベラの厚みよりも刃先が入り込んで薄くなったり不均一になります。

良い例

ヘラにしっかり沿っている

このようにカッターが地ベラにしっかりくっついて寝ていれば地ベラの厚みちょうどが残って均一な仕上がりになります。

あとは地ベラ・カッターを平行移動して少しずつ切って、最後まで来たら地ベラの尖った方を先にして押さえて、反対方向から切ります^1

糊を拭く

全ての辺で切った後、切り口には糊が溜まっているのでこれをしっかり拭き取ります。ぬるぬるとした感じが残っていると拭き取りが不十分です。
拭き取りが甘いと乾いたときに糊がオブラートに廻り縁等に出現します。

糊の拭き取り

クロス表面を汚さないように地ベラでガードしながら布で拭きとっています。
入念に拭き取るためにはスポンジで拭きとってから布で乾拭きして仕上げます。

これで天井は貼り終わりました。

貼り終えて全体を確認します。

次回からは壁を右から貼っていきます。はじめは入隅の収め方について詳しく説明したいと思います。

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