前回までで貼っていく材料の説明をして、糊付けして材料を用意するところまで終えました。
さっそく貼っていきたいところですが、今回は貼り方の基礎知識としてクロスをジョイントさせる2つの方法について先に説明します。
動画 19:28あたりから
ジョイントの仕上げ
クロスは幅が90cm程度なので、壁に貼っていくとき当然横幅が足りずに複数枚を並べて貼ることになります。このときに隣り合うクロス同士にできる隙間をジョイント、継ぎ目といいます。
ジョイントの仕上げ方の違いであい裁ち(重ね切り、重ね貼り)と突き付け貼りの2つの貼り方があります。
先に簡単に違いをまとめておきます。
突き付け | あい裁ち | |
---|---|---|
概要 | 耳を先に切って切り端を合わせて貼る | クロスの端を重ねて貼って、重なりを切る |
手間 | 早く貼れる | 手間がかかる |
貼れるクロス | 無地 | なんでも可 |
難易度 | 初心者には比較的難しい | 初心者にも比較的簡単 |
必要なもの | 糊付け機(スリッター) | 下敷きテープ |
注意点 | 突き付け面で段差を作らない | 下地まで切らない |
あい裁ち
あい裁ちは重ね張り、重ね切りなどと言うこともあります。ジョイントするクロスの端を数cm程度重ねて切ってから、切れ端を抜き取ってつなげます。
クロスに耳がある場合は手間がかかりますがこのやり方で貼ってから切ります。機械で耳を切り落としていれば、後述する突き付け貼りが可能です。
柄物のクロスは重なりの柄を一致させれば継ぎ目で柄がズレないので、あい裁ちでつなげます。
実際に小さく切ったクロスを使って流れを説明してみます。
あい裁ちの流れ
貼ってあるクロスに対して2枚目のクロスを重ねる
重なりを上から切る
少しめくる
ジョイントを合わせる
あい裁ちのポイント
壁と重なったクロスの関係を図示するとこのようになります。
このとき絶対に下地まで切ってはいけません。カッターの刃が下地まで到達して下地を傷つけると、クロスのジョイントと下地の傷の位置が同じなので下地が原因でクロスの継ぎ目が割れる原因になるからです。
そこで下地を切らない対策として、下敷きテープを使用します。
下敷きテープ
下敷きテープまでは切らないように
カットテープ
ところで上の写真で左のクロスのほうに付いている青いテープに気づきましたか? これもテープですが、下敷きテープではありません。このテープはカットテープと呼ばれ、単にビニールの薄いテープです。
このカットテープはあい裁ちでクロスを重ねたとき、上のクロスの糊が下のクロスに付かないようにする意味があります。糊がクロス表面に付くとベタベタとして、汚れの原因になります。
また、あい裁ちに限らずカットテープを貼ることで端の糊が乾きにくくなるので、必ず貼っておいたほうがよいでしょう。
突き付け貼り
今度はもうひとつのジョイントのさせ方である突き付けを解説します。突き付けはあい裁ちより早く貼れるのが強みですが、比較的初心者には難しい、柄のクロスではできない、機械であらかじめ耳を切る必要がある点に注意してください。
突き付け貼りの流れ
こちらも同様に小さいクロスで確認していきましょう。
1枚貼っておく
2枚目をピッタリにつなぎ合わせる
ローラーがけ
まとめ
今回はジョイントの収め方とテープについて解説しました。次回以降、実際に壁に貼っていく前に解説したのはクロスを貼る前、糊付けの際などに一緒にテープを貼っておけば楽だからです。機械を使えば糊付けと同時にテープもつけられます。
次回はいよいよクロスを貼っていきます。

