クロス貼り替えに必要な情報をまとめています。今回は基礎知識として、貼り替え前に知っておくべきクロスの種類(ビニールクロス、布クロス、量産品、一般品など)と壁の部位ごとの名称です。
クロスの種類
貼り替えを行うとき、まずクロスを選び必要な長さを注文することになります。クロスを選ぶ際に以下の点を確認してください。
ビニールクロスかそれ以外か
クロスには材質的な種類がいくつかあります。日本で貼られているほとんどクロスはビニールクロスです。その他、布クロスなどもありますが貼り方がビニールクロスと異なります。
今回も最も需要が多く、施工が比較的簡単なビニールクロスに絞って解説しています。
とくに断りがない場合、今後クロスと呼んでいるのは全てビニールクロスです。
業務用かDIY用か
たいていの建物やマンションに貼られているクロスはプロが貼っているので、一般的なクロスはプロ向けのものです。業務用クロスはサンゲツやリリカラ、ルノン等のメーカーが製造しており、リフォーム会社ではメーカーのカタログからクロスを選んで問屋さんに注文しています。
カタログはメーカーのホームページから見ることもできます。業務用クロスを個人で入手する場合はインターネットで注文するのが一番簡単でしょう。
業務用のクロスには糊がついていないので、施工時に自分で糊付けする必要があります。
DIY用のクロスについて
DIY用のクロスはホームセンターやインターネットで売っています。個人で簡単に貼れるようになっているので糊がすでに付いていたり、壁のほうに糊をつけたりと業務用のクロスとは施工方法が違う場合もあります。
DIY用は確かに簡単で便利なのですが貼り付きの質がまばらになったり、糊の食い付きが悪く剥がれやすくなるなど弱点があります。単価もDIY用のほうが高価です。自宅で施工する場合はいいですが、大家さんが管理している部屋を貼り替えるといった用途には不向きでしょう。
また、中にはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の有害物質の基準値をオーバーしている質の悪いクロスが販売されていることもあるので注意してください。
一般品か量産品か
業務用のビニールクロスにも一般品と量産品という2つの種類があります。
一般品 | 量産品 | |
---|---|---|
施工のしやすさ | 普通 | しやすい |
単価 | 比較的高い | 安い |
種類 | 機能性(吸放湿・防臭など)があったり 柄が豊富 | 無地・シンプルな物が多い |
量産品
白い無地のクロスは賃貸マンションなどで最も一般的なので大量に製造されて量産品になっています。クロスに少し厚みがあるので下地の影響を受けにくく貼りやすいです。
一般品
戸建住宅や持ち家のマンションでは色合いや機能性でこだわったクロスを貼ることが多いので、少し高めの一般品を使うことが多いです。
一般品・量産品は貼りやすさに多少の違いはありますが施工方法自体はほぼ変わりません。
柄か無地か
一般品・量産品の区分に近いですが、クロスに柄や模様、キャラクター、絵画などがプリントされている柄物と、何もない単色(たいてい白)の無地のものの違いです。
柄のほうが柄を合わせるためにつなぎ目で手間がかかり、材料費・施工費ともに高くなります。ただ、実は柄物は柄さえ合っていれば無地のものより継ぎ目が目立たないものも多いので、ある意味で貼りやすい材料です。
壁の基礎用語
クロスを貼る壁は単純な構成の繰り返しです。①天井 ②平場(ひらば) ③入隅(いりすみ) ④出隅(ですみ)の4つを繰り返しているだけなのです。この4つの箇所の貼り方をマスターするのが上達の秘訣です。
天井
天井も壁と同様仕上げにクロスを貼ることが多いです。壁紙というと壁にしか貼れない印象があるので、専門用語ではクロスと呼ばれています。
この写真は簡易版なので天井を1枚で貼っていますが、実際の天井は壁同様、複数枚のクロスをつなげて貼っていきます。
平場
壁の平らな面を平場(ひらば)と言います。
入隅
壁同士がぶつかって部屋の外に対して突き出た角を入隅(いりすみ)といいます。入隅ではクロスをつなげて貼る場合と切って貼る場合があり、切り方にも種類があるので綺麗に仕上げるには正しい知識と技能が不可欠です。
出隅
入隅と反対に、壁同士がぶつかって部屋の内側に対して突き出た角を出隅(ですみ)といいます。出隅で切ることはあまりないですが、クロスのチリの処理や柄を縦にまっすぐにする点など注意点があります。
巾木
床と壁を連続的につなげるのは難しいので多くの場合、写真のような巾木(はばき)という見切り材が付けられています。
廻り縁
まとめ
基礎的な解説は以上になります。さらに細かく言えばメーカーごと工夫をこらした機能を持ったクロスが出ています。クロスによる違いを理解して貼っていく必要があるわけです。
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