モルタル(コンクリート)下地の上にフェルトを敷き、グリッパーで釘止めされた上に引いてあるカーペットを剥がす施工について解説しています。モルタル下地の表面を綺麗に均すこと、釘が刺さったグリッパーの扱い・処分などがポイントです。
カーペットの構造
今回剥がすカーペットはマンションで、下地がモルタルのものです。カーペットの貼り方にはいくつかの工法があるので、剥がすカーペットがどのように貼ってあるかを先に把握することが重要です。 そのためには部屋の隅のほうを剥がしてみるのが早いでしょう。
一番下がモルタル、つまり固いコンクリートでその上に緩衝材としてねずみ色のフェルト(不織布)が敷いてあります。床の縁部分のモルタルには角材が釘打ちされていて、この角材に上のカーペットが引っかかっているわけです。
この角材をグリッパーといいますが、グリッパーは釘が露出していて大変危険なので十分注意してください。
剥がし始め
できるだけ椅子や家具を別の部屋に移しておいたほうが作業がし易いですが、運ぶのが難しい場合はまず家具を避けるようにして上からカッターでカーペット部分を切るようにします。
壁際はグリッパーで止めてあるのでこのように中央部分だけカーペットを切り取るといいでしょう。
切り取ったカーペットはぐるぐる巻きにしてテープで止めておきます。破棄する上で大きすぎる場合は切断しますが、手作業でカーペットを切るのはかなり大変です。家庭ごみサイズにしたい場合は電気のこぎりを用意してください。
フェルトも同様に剥がします。フェルトは接着剤でモルタルに貼り付いているので接着剤の跡にフェルトの繊維が残ってしまいますが、これはあとで綺麗に取り除きます。
部屋の縁部分
釘に注意しながら一番上のカーペットを剥ぎ取ります。
バールでグリッパーを持ち上げる
バールを使ってグリッパーをモルタル床から取り外します。綺麗には取れないので実際は貼ってある角材を綺麗に取るというよりバキバキと壊していく感覚に近いです。
モルタルに刺さった釘を抜く
バールでグリッパーを持ち上げて一緒に釘が抜けるといいですがモルタルに刺さったままになるので釘抜きで引っこ抜きます。
掃除
一度ここまでで発生した廃材やゴミをまとめておきましょう。カーペットとフェルトは通常のゴミ袋で大丈夫ですがグリッパーは釘で袋が破けるので硬質な土のう袋にいれます。
下地モルタル面に残った繊維(フェルト)の削り方
接着剤の跡にフェルトの繊維がザラザラと残ってしまいます。次の床材を貼る前に下地処理として綺麗に均す必要があるので、この繊維を取り除きます。
先端にカッター刃を取り付けたスクレイパーで上から力を入れて何度も往復させていきます。モルタルはカッターの刃で横に擦った程度では傷つかないですが下地の状態が悪く欠けたり傷になったらモルタルパテなどでならすといいでしょう。
使っているスクレイパー(ケレン)
先端がカッター刃なので注意してください。削り心地が悪くなったら刃を交換します。ケレン(棒)と呼ばれることもありますが、ほとんど同じものです。