クロス職人が現場で仕事する上でできるようになったほうがいい施工をまとめてみました。多能工に対して雑工という印象を持つ人がいるのも確かですが、クロス張替え以外のこともできたほうが現場やお客さんの要望に答えられるのも事実です。
ダイノックシート貼り
ダイノックシート(リアテック・カッティングシート)は耐久性に優れる化粧シートです。クロス職人の中でも貼れる人は比較的多いでしょう。ドア全体に貼ったりドア枠、上がりかまち、家具に貼るなど、非常に応用範囲が広いです。
クロス張りとは違う
シールのように貼り付けるので、クロスと同じ感覚で貼ることはできません。また、ビニールクロスは失敗しても剥がして張り直せますが、シートは一度密着するとやり直しが聞きません。クロスは空気が入ると撫刷毛やスムーサーで押し出しますが、ダイノックシートはそれができません。
ダイノックシートは失敗しないように貼れるようになるまでそれなりに時間はかかりますが、自宅の家具や廃材に貼ってみて練習してみてはいかがでしょうか。
水栓・パッキンの交換
職人技というより正しい手順で作業をすれば良いのである程度覚えてしまえば基本的なものなら取り付けられるようになります。水栓本体にも説明書がついています。
さらに使う工具もレンチやドライバー、止水テープなど限られているのでいくつか用意するだけで施工できるようになります。ただし水漏れを起こすと床をだめにしたり、マンションだと最悪の場合下の階の部屋に対して損害を出してしまうリスクがあることに注意してください。
鍵の交換
こちらもドライバーなど限られた工具しか使いません。マンションの比較的新しめの鍵は一本ピンを抜けば外れるものになっているので簡単に外せます。
ただしこちらも注意点として、うっかり内側・外側のノブを反対に付けてしまって外部にネジが露出していたりするとピッキングされたりセキュリティ上深刻な損害を出してしまうので半端な仕事はできません。
取り付けができる職人さんに教えてもらいながら覚えるといいでしょう。
CF(クッションフロア)張替え
賃貸の原状回復案件でよくあるのがクロス張替えとCF張替えです。CFは汚損したとき補修しても貼り替えでも手間があまり変わらないのでクロスとセットでできると重宝されます。
このときトイレの便器が取り付けられた状態で貼り替えるのは技術が必要です。トイレの交換を含むリフォームの場合は便器の交換もセットの多いので、その場合は通常便器を取り外した状態でCFを先に貼ります。しかし原状回復でトイレ交換も行うことはあまりないので、便器の型に繰り抜いてCFを周りから貼ることになります。
クロスも便器がある状態で張れると一人前と言いますので、トイレのクロス+CF貼り替えをセットでできるようになると仕事の幅が広がります。
その他にも
設備交換は需要多
インターホンの設置もやってみると非常に単純な仕組みなのでできないことはありません。エアコンの撤去もリフォームで壁の張り替え時や設備交換のタイミングでよく行われるので、できるようになったほうがいいでしょう。
注意点
ただしそれぞれ配線をいじったり施工によって電気工事士の資格が必要だったり、エアコンも単に撤去するのではなくフロンガスを室外機に押し込める義務があるなど法的なルールもあるので、安全面や確実な施工を心がけつつキャリアアップを目指してみてください。

