重ね貼り工法解説
前回割り付けを考えましたが今回はその続きで貼り付けに入ります。
施工の流れとしては切断して配置したフローリング材を一度重ねて回収し、床側に接着剤を塗ったら隅から貼っていきます。これをちょうどいい範囲(フローリング3列分程度)を一つの区切りとして反復して床全体を貼ります。
フローリング材を重ねて回収する
一度割り付けで配置したフローリング材を重ねて回収します。このとき、未加工のフローリング材はそのままひとまとめで構いませんが、長さを調整した壁に接するフローリング材は位置・順番などが分かるようにして置いてあった位置に復元できるようにしてください。
壁際のフローリング材はこのように手前から順に重ねていく、などのルールを自分で作って毎回その通りにする習慣をつけると間違えません。
もし万が一どこにどの板材が来ていたかわからなくなったらパズルのピースを探すように当てはまるものを検討していきます。が、時間が余計かかるので極力避けましょう。
接着剤を開封する
床用の接着剤はこのような缶に入っています。ヘラを使いテコにして缶のフタを開けます。
ここで一つ便利に使うノウハウがあります。フタを開けたらテープでフタの周辺を塞ぎます。フタ自体よりも広範囲にテープを貼ってください。
あとはカッターでフタの入り口を丸く切り抜きます。何をしているかというと、これで液ダレして入り口付近が汚れてもテープを剥がすだけで缶自体が汚れないようにしたのです。
フローリングの接着剤の缶は業務用だと中身を一度の施工で使い切るとは限らないので、保存することも考え缶自体は汚さないようにします。
接着剤を床に延ばす
缶を傾け、直接床に接着剤を写真の量ぐらい取り出します。
これをクシゴテで弧を描くようにして床に延ばします。
まんべんなく塗り、壁際はクシゴテのツメを立てるようにして薄くならないよう意識します。
接着剤が足りなくなったらそのつど床に取り出します。
この接着剤は床面を塗った後床に余ってもすくい取るので多めに出して構いません。
缶から接着剤を出したら垂れている口にクシゴテを当てて払うようにします。
これで比較的液ダレを防げます。
フローリング材を貼り付けていく
接着剤を壁の両端の範囲で塗ったらフローリングを貼り付けます。写真のように3列程度フローリング材を貼るくらいが一度の接着ではちょうど良いでしょう。あまりに広範囲だと途中接着剤が乾いたり、作業を中断して休憩する際に区切りが悪くなります。
部屋の角から先ほどと同じ配置でフローリング材を置きます。体重をかけて床とフローリングとの間に隙間ができないようにします。
貼っていくのは一列ごとでなくて構いません。むしろ全体の整合性を考えて貼っていくと横に貼っていく、縦に貼っていくをバランスよくおりまぜながら貼ったほうが良いかもしれません。
貼り付けでは、フローリング材同士がしっかり組み合うように注意してください。フローリング材にはオスザネとメスザネがありますが、このレール部分がちゃんと咬み合わないと微妙な隙間ができます。
壁際の貼り始めの方向に対して横の力を加えています。
壁際ではこのように床の接着剤が浮きだして隙間から漏れてくることがあります。これは必ず拭き取ってください。
バールを使う
壁際のフローリングと手前のフローリングに隙間があるときは手前から押しますが、逆に壁際から押すのも手です。バールを使い微妙な隙間に差し込み、奥から手前にフローリングを押します。バールでフローリング表面を傷つけないよう注意してください。
足で小突く、軽く蹴る
足で小突くように力をかけます。隙間がなければ動かないはずです。
接着剤が表面に着いたらクリーナーで拭き取ります。
繰り返す
接着剤の面にフローリングを貼り終わったら、また接着剤を塗る作業です。今貼ったフローリングの列の下に塗っていきます。
貼り終わり
作業を長時間中断する場合は写真のような適当な廃材を床に打ち込んで固定します。1日ほどすればフローリングは動かなくなります。
あとは貼り終わったフローリングが傷つかないようロールマスカー、養生シート等で養生します。

