建具の木枠部分が剥がれたり色あせてしまっている場合ダイノックシートを貼るのがオススメです。プライマーを塗ってダイノックシートを細く切って貼っていきます。巻き方を工夫すると剥がれにくくなります。
下地調整
枠の木材の表面を剥がす
この木枠は合板で表面のプリントが剥がれていたので、カッターを使って全て剥がしてしまいます。
サンダーがけ
下地の汚れを落としつつ表面を均一にするためサンドペーパーで表面を荒らします。
サンドペーパーで落ちない根の深いカビが生えています。ダイノックシートはプラスチックのような材質なのでクロスと違いこの程度のカビならそのまま上に貼ってもカビが浮いてくることはありません。
ただ、貼り付きをよくするためになるべく落としておきたいので、うすめ液をウェスに染み込ませて拭いていきます。
ちなみにこの上部分は化粧合板のシールが剥がれなかったので、状態も悪くないことから剥がしていません。
プライマー塗り
プライマーはダイノックシートの食付きをよくするために塗る専用の下地処理剤です。
枠のほうに貼る対象が細いとどうしても縁から剥がれやすくなるので、それを防止するために塗ります。
ミニバケツに適量取り出します。
枠にハケで塗っていきます。ウェスに染み込ませて塗っていくのですが、枠の小さな出っ張りの部分を塗る時に壁際を汚さずに塗るにはハケのほうが適しているかもしれません。
枠の内側はもちろん、外側の非常に細い部分にも塗ります。
貼り付け
枠の幅、長さを測る
貼り付けのため、適切なサイズにシートを切って準備するので枠の幅と長さを測ります。
このとき注意するのは幅は一面の幅ではなく、貼付け面の幅、すなわち1枚を巻いていって手前三面に貼る場合はこの三面の合計幅分必要という点です。
測るときはこのように奥から手前に巻き込んで、手前の面にも貼っていく分の長さを測ります。
カットする
あとは今測った幅、長さを参考に切ればよいですが、実際はさらに細かい外側部分にも巻いていった上でヘラで切るので+5cm程度をイメージしておくと安全でしょう。
縦の長さも同様に余裕を持って切ります。
張り付ける
シートの裏紙を30cm分程度めくって枠に貼り付けます。貼り始めは枠の隅にぴったり合わせるのではなく、若干余裕を持っています。
あとは軽く下に引っ張って弛まないようにしながら下に流していきます。手前は巻いて切りますが奥は切らずにぴったり合わせています。
下まで貼ったら縁に合わせて切っていきます。クロス同様竹ベラを当ててクセをつけてから地ベラを定規にして切ります。
内側の面を貼ったらそのまま外に巻いていきます。
角で折って指で熱を与えていますが、強くやると摩擦でケガをするので注意です。
下から巻いていって、さきほどの貼り始めの位置まできました。写真のように切って折り込むのがポイントです。
あとはスキージーも使って端までよく圧着させていきます。
余分な部分を切る
はみ出している余分なシートを地ベラとカッターを当てながらスライドして切っていきます。
ここにもポイントがあります。
これが切った後です。よく見ると2mm程度残して切っています。クロスを張った時にこの残りの部分にクロスが重なることでシートを押さえてくれます。したがって剥がれ防止になります。
左、上、下の順
あとは同様の工程を枠の左、上、下部分の順番に進めていきます。
上を貼ります。上は左右の入隅にピッタリになるよう長さをとって巻いています。
どうしてもシートと床との間、もしくは壁との間で空きができてしまう場合は色があったコーキングでカバーします。
完成
いかがでしょうか。ダイノックシートは耐水性やキズ・汚れに比較的強いのでドア枠のように汚れたり傷がつきやすい箇所に最適です。唯一弱点として熱で変形してしまうことがあるので日差しが強い場所は要注意です。

