押入れのクロスの張り方
押入れのクロスの張り方を解説しています。押入れは体勢的に壁の手前側を綺麗に合わせるのが難しいので手前を合わせて奥に貼っていくなど、いくつかのポイントがあります。
Before
手前を合わせて奥で切る
体勢的に押入れの手前側の壁で作業するのは厳しいので、なるべく手前での作業を減らします。したがって手前はドン付け(隅に対して突きつける)して、奥に流します。するとクロスは奥の1辺と左右の2辺、計3辺を切って、手前は調整するだけで済みます。
今回は天井、左右、奥の壁の順に張っています。とくに理由がなければこの順番で張るのがよいでしょう。
天井
押入れの天井から張りますが、手前の隅に合わせて手で押さえながら延ばして貼り付けていきます。
こちら側、つまり正面から見て左側は最終的にあとで調整するので、壁に張り付けばとりあえずOKのようです。角ベラで入隅を押し当てて固定します。
ある程度張ったら撫でバケで、空気を逃していきます。
点検口の通りに切り取る
押入れの天井部分に点検口が存在する場合、クロスを切り取って点検口が開くようにします。
点検口には天井のボード側、フタ側にそれぞれ金具があり、その金具に沿って切るので大きい正方形と小さい正方形の2つを切り出します。
切り取ったら金具部分の不要なクロスを剥がしますが、一緒に天井、点検口内側のクロスを剥がさないように注意して、ゆっくり剥がします。このとき切れずにつながっている部分がある場合は地ベラを定規にして切ります。
正面右の辺を切る
あとはスムーサーで角を折り込んで、竹ベラを併用して入隅を出していきます。
地ベラを当ててはみ出ているクロスを切ります。
このときはみ出たクロスが長い場合は大雑把に一度カッターで切ってから、地ベラを当てると良いです。
正面左側から張り始めましたが、切っている(仕上げている)のは右側からになっていることに注意してください。
張り始めた側に戻ってシワを延ばす
右側を仕上げると、張り始めた反対側にシワやヨレができているかもしれません。
ある程度剥がしてやって、こちらも同様に撫でバケ、スムーサーを使い空気を抜きます。
あとは同じように地ベラを当ててカッターで切ります。
空いた部分をコーキングする
入隅でクロスを切るとどうしても微妙な隙間ができたり、切れ目が綺麗じゃない部分が発生します。予防策としては頻繁にカッターの刃を折って新しくするのが良いですが、発生した隙間にはジョイントコークを塗っておきます。
綺麗に塗れなかった箇所は指で拭き取ります。
最後にウェスで軽く拭きます。
ほかも同様に
天井を張り終えたら次に正面上側、右側面、左側面、正面下側の順に張ります(押入れの上半分)。それが終わったら押入れの下半分を張ります。
押入れの正面上側
ボードが少し盛り上がっていたのでトンカチで軽く叩いてやります。
今回はボードの継ぎ目があまり目立たなかったのでそのまま張りましたが、必要があればパテで釘の跡や継ぎ目を埋めてやります。
右側面
さて、側面は突っ張っている中板に合わせて切れ込みを入れ上下を張りますが、ここでハプニングが・・・。
クロスが足りなくなった時
ご覧のように、中板の下側が凹んでいたのでクロスが足りなくなってしまいました。
こうなってはしょうがないので、余ったクロスを使って継ぎ接ぎします。
適度なサイズの切れ端を張り、大きさを調整します。
上から差し金、地ベラなどを当てて直線上に切ります。すると下側のクロスも重ねて切れるので、下側と上側の切れ端を抜き取って張ります。ただし力を込めて切ると下地のボードを切ってしまい、後々継ぎ目が目立つ原因になってしまうので下地は切らないようにしてください。
ローラーで圧着します。
これで継ぎ接ぎできました。
囲んだところが継ぎ目ですが、なかなかわからないと思います。
あとは順番通りに張っていきました。
上段正面
左右を張ったあと、上段正面を張ります。
下段側面
下段正面
なお、今回は直接乗っていますが中板が弱い場合は人が乗ると板が割れてしまうこともあるそうなので、補強用の板を乗せるなどします。
完成
これでできあがりました。
施工・協力
今回施工を行ったコージーライフ(仙台)ではクロス張替えを始めとした、内装工事全般を行っています。

