キッチンの壁にキッチンパネルと同等の性質を持つアルミ化粧パネルを貼った施工方法を紹介します。このパネルはIHコンロ程度なら十分な耐熱性を持っていて、それでいてキッチンパネルより低価格なので安くてある程度の施工を求める場合にちょうどよいです。
キッチン台を移動する
まずキッチン台を移動させる必要があります。
水道やガスなどの接続を解除して、キッチン台の上のコンロや中の食器などは全てどかしましょう。
キッチン台と壁の間にコーキングがあるときはシーリング材剥がし(コークカッターなど)を使ってください。
長年の油汚れなどがキッチンをどかした壁や床に付着しているので、可能な限り清掃します。パネルは直接いまあるキッチンのタイル壁に貼るので接着面を綺麗にしないといけません。
壁の金具やパネルを取り外す
壁に付属している金具類は取り外します。ネジなども外してください。
コンセントカバーは外した上でパネルを繰り抜いてパネルを通してやる必要があります。
必要なパネルの枚数、長さを計算する
今回パネルは縦に並べていきます。壁に見えるジョイント箇所を縦だけにしたいからですが、縦だと下の長さが足りなくなっても目立たなかったり、巾木でカバーできるという利点もあります。
長さがわかったらパネルを切ります。マジックとメジャーでパネルに印をつけ、印に合わせて定規を当てカッターで切断します。
カッターは何回も同じ線をなぞって溝を深くします。
そのまま線の裏側に印を書いてパネルをひっくり返します。
裏側も同様に定規を当てて切ります。
壁の形状などに合わせてパネルを切り取る
コンセントやネジ穴などに合わせてパネルを長方形に切ったり、ドリルで穴あけします。
大きめの穴はカッターで切り口を広げていきます。
貼り付けの準備
接着には両面テープとボンドを併用します。
先に両面テープを適当な間隔で貼って、剥がさずにコーキングガンを使ってボンドを塗ります。
基本的にパネルのほうが動かしやすいのならパネル側に、そうでなければ壁側にテープ、ボンドを用意するといいでしょう。
貼り付け
あらかじめ貼り付ける壁側に汚れがないか確認して下さい。
両面テープの保護を剥がしたら貼り付けますが、一度テープが壁に密着すると剥がすのは難しいので慎重にパネルが曲がらないよう注意します。必要なら上半分を自分が、下半分を補助者に支えてもらって上から貼っていくやり方が安定します。
また、今回の施工では上部分にはコの字型のジョイントを使い壁との隙間を埋めています。したがってジョイントをあらかじめ挟み込んだ上でうまく貼り付けています。
ジョイント
エの字型
パネル同士をつなぐのに使います。
コの字型
パネルの端に使います。今回は上端に使っています。
2枚目の貼り付け
1枚目を張り終わったら続いて2枚目を貼ります。
このとき2枚目はキッチン台で下部分が隠れるので、1枚目より高さを短くしました。
1枚目と2枚目の連結にはエの字型のジョイントを使います。ジョイントを抑えて繋ぎつつ、パネルを歪まないように貼るのがポイントです。
ジョイントを差し込んで抑える。
2枚目を張り終わった様子。保護フィルムはまだ剥がしません。
3枚目の貼り付け
3枚目は壁側にテープ・ボンドを設置しました。
左側のジョイントにパネルをつないで左から右に貼っていきます。
貼り付け段階になって左右の歪み、右側が足りない、長すぎるなどがあると面倒なので、テープ・ボンドを使う前にあらかじめ仮置きして大きさを確かめてください。
3枚目まで張り終わった様子です。
アルミのチャンネルで左側をカバーする
一番左側はアルミのカバーを使います。
パネルの高さを測ったらその長さに合わせてアルミを切断します。
切ったら内側に両面テープを貼ります。
両面テープでパネルの左端に貼り付けます。
貼り付けました。
パネルと壁、キッチン台とパネルの隙間をコーキングする
右側のパネルの右端と壁の間にコーキングガンを使ってコーキング剤を塗っていきます。
コーキングは本職の職人さんであれば養生しなくても良いそうですが、実際は均一にコーキングを伸ばすのは難しいので養生テープを貼って余計についた部分は指で落とします。
キッチン台を戻します。排水管をつなぎテープで巻きます。
キッチン台とパネルの間も養生テープを貼ります。
同様にコーキングして余りを指で拭き取り、養生テープを剥がします。
完成
完成しました。安い資材できれいな仕上がりになっています。

