マンションのフローリングの貼り方【直貼り工法】

フローリング

はじめに

モルタル下地の上にフローリングを敷き、接着剤で固定する方法を解説しています。
一般的なマンションなどでフローリング施工をする場合、参考にしてください。直貼り工法(直張り工法)と呼ばれる施工です。

用意するもの

  • 丸ノコ 縦挽きと横挽きのもの2種類
  • ノコギリ
  • カッターナイフ
  • ウッドフロア用接着剤
  • クシ目ゴテ
  • フローリング材
  • さしがね
  • 定規
  • メジャー

1.割り付けを決める

準備

今回はすでに下地を剥がし終えたモルタル下地の上で施工しています。
モルタル下地の上に余計なものがないよう片付け、貼り付けるフローリング材や丸ノコなど、必要な工具・資材を搬入しました。

部屋の形状、寸法を測定する

メジャー、定規を使って部屋の縦と横の長さを測ります。
プロはほとんど頭の中で必要な長さ、サイズがどこかわかってしまいますが、慣れないうちは工程の中でどの長さが必要になるかわからないこともあるかと思うので、一度細かく部屋の見取り図を作ってみるとよいかもしれません。

割り付けの基本

まず、割り付けを考えます。割り付けとはフローリング材の並べ方のことです。カットする箇所を決めます。

割り付けを考える上で基本的なことを説明します。

フローリング材の♂と♀

フローリング材は別のフローリング材と組み合わせて並べるので、連結する部分には♂と♀があります。

他の家電と同様、差し込めるほうが♂、受けるレールのほうが♀に当たります。
はじめに置くフローリング材は♂の方向が作業を進めていく方向になることに注意してください。これは次のフローリング材の♀を、置いてあるフローリング材の♂に当てていくためです。
したがって開始するフローリング材をカットする場合は♂が残るように切断してください。

片方の辺のフローリング材を縦に切る

フローリング材は部屋の長辺と木材の長辺を一致させます。
すると部屋の横幅(部屋の短辺)は、フローリング材の幅が並んで構成されます。部屋の横の長さがフローリング材の幅の倍数になるとは限らないので、隅から敷き詰めるとそのままのサイズではぴったり収まりません。

例えば部屋の幅が2550mm(255cm)で、敷き詰めるフローリング材が95mmだと、2550÷95=26あまり80mmとなります。

したがって単純計算でこれだと端のフローリング材は15mm(=95mm – 80mm)切断しますが、実際は敷き詰めるうちに計算上の数字よりも幅の合計が大きくなってしまうので多少余裕を持って多めに計算します。

余りが小さい場合

敷き詰めた時、余りが10mmのように非常に小さい数字の場合は部屋の両側でフローリング材をカットしてあげます。

フローリング材の切断方法の詳細はフローリング材の切り方、切断方法のまとめに書いてあるので、参照してください。

壁面、枠に沿って切る

このようにはめ込みました。

縦に並べていく

幅を調整したフローリング材を縦に並べていきます。先ほど説明したように、これから作業を続けていく方向に木材の♂が来るように注意してください。

端まで並べると残った隙間の長さに合わせてフローリング材を横に切断します。
あらかじめ定規となるフローリング材(加工していないもの)を用意します。
養生テープを貼って定規である目印にしました。





切断方法まとめにも書いてありますが、定規を使って切り出す長さを割り出します。





また、縦方向の終端に当たる板材は、♂の部分の板の出っ張りをカッターで切り取ります。

2列目以降を並べる

2列目はすでに敷いてあるフローリングの♂に、これからつなげるフローリングの♀をあわせて行きます。

左の♂と、右の♀をあわせる

2列目は1列目に対してフローリングの接続箇所がずれるようにします。

端まで来たらさきほど説明した方法でフローリング材の長さを調整します。

端のフローリング材の長さを調整している

並べて壁に対して歪みがないか確認して下さい。貼り始めの歪みや隙間は後々大きなトラブルになってしまいます。

5列目まで並べたところ

こちらの写真の上部分の壁に対してしっかり垂直にフローリング材が並んでいます。左側の壁に対して平行でも稀に壁自体に僅かな歪みがあることもあります。また、右上のフローリング材は長さと幅を調整しています。

壁に対して垂直なフローリング材

一度元に戻す

ある程度区切りの良い所まで並べました。

このまま全て並べていくのではなく、今並べているフローリング材を接着剤で貼り付けます。

そのために、一度並べていったフローリング材を回収するのですが、はじめにサイズ(長さや幅)を加工していないものをすべてまとめます。



壁際のフローリング材だけを残す様子

そのあとで加工した壁際のフローリング材は位置を見失わないよう、壁からの順番がわかるように重ねていきます。



壁際のフローリング材を重ねる様子

2.接着剤で貼り付ける

接着剤を準備する

いよいよ接着剤を使います。
使用するフローリング用接着剤の缶の口を開けます。
開けたら液が垂れて缶の口の周辺が汚れるのを防止するため、缶に養生テープを貼ります。

缶の口部分に養生テープを貼っている様子

養生テープで口の周辺を一度塞いで、カッターナイフで口部分をくりぬき出します。すると、缶から塗料が流れでる時に塗料が口周りについても、最後にテープをはがせば缶自体は汚れなくて済みます。

接着剤を下地の上に出す

缶を傾け、下地に接着剤を流し出します。



缶から接着剤を出す様子

接着剤を一度にこれだけ出しました。これをこれからヘラを使って伸ばしていきます。

一度にこれだけ接着剤を出します

薄くなったり厚くなったりしないよう、均等にしてください。



接着剤を伸ばす様子

このくらいの厚みを参考にしてください。



端まで接着剤を塗ったところ

フローリング材を貼る

いよいよ貼り付けです。
部屋の端から貼り付けます。あらかじめ切っておいた木材を間違えないように気をつけてください。

壁とフローリング材、フローリング材同士に隙間ができないようにしっかり押し込んでください。





上から押さえ込んでいます。しっかり下地に接着させるためです。





踏んでしっかり固定されているかを確認します。

余分な接着剤をどうするか

写真のように、貼る予定の面に対して接着剤が余ってしまうことがあります。





このときは一度適当な紙に接着剤を乗せて避けておきましょう。

工具を移動させ残りの部分にも貼っていく

フローリングを貼ったら、今度は反対側を施工するために工具を移動させます。直接貼り付けたばかりのフローリング材に資材や工具を乗せるとキズが付くので、ボール紙やベニヤを敷いてキズがつかないように注意してください。

貼り終わり

壁の反対側まで来たら、いよいよ貼り終わりになります。記事の説明通りに施工するとこのときフローリング材の♂が壁面に接することになります。

♂があると上から見た時に壁面との床に隙間ができているのですが、これは巾木で隠すことになるので残したままにしています。

最後の列のフローリング材はサイズがぴったりだとはめこむのが難しいはずですので、手前のフローリング材を一度外し組み合わせてから、山型にした状態から平坦にしていくなどしてください。

まとめ

これで貼り終わりました。

このあと、巾木をつけてフローリングと壁の隙間を隠したら完成です!

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