今回は水栓のスピンドルの交換を取材しました。
水回りを長い間使用していくと、部品の隙間にホコリやごみが溜まったり、部品が錆びてしまうことがあります。これらが原因となって水漏れを引き起こすことがあるので、定期的に水栓の部品を交換する必要があります。今回ははじめての方でも簡単に取り替えられるようにわかりやすくまとめてみました。
使用する道具・資材
千枚通し
ハンドルの上部のキャップを取り外します。
ドライバー
ハンドルを外す際に使います。
レンチ
スピンドルを締めるときに使います。
取替え用のスピンドル
スピンドルとは
スピンドルとはこまを押えるための部品です。ハンドルを開けるとこのスピンドルがあがり、こまが水圧で持ち上がることによって吐水します。
スピンドルの種類
一体型スピンドル
今回使用したものがこの一体型のスピンドルです。この型はこまやパッキン、スピンドルがすべて一体になっているため、まとめて交換したい場合に効率的に交換作業を行うことができるというメリットがあります。
単体スピンドル
スピンドル単体として販売されています。この単体型を使用するメリットはスピンドルのみを交換できるので経費を抑えることができます。
作業服については今回はそれほど危険な作業ではないので動きやすい格好であれば問題ありません。
スピンドルの交換手順
蛇口を全開にする

まず蛇口のひねりを全開にします。
元栓を閉める

次に水道の元栓を閉めます。

今回は壁付けタイプの水栓なので、このように部屋のパイプスペースにある元栓を時計回りに回して閉めていきます。
※台付けタイプの水栓では元栓の場所に行かなくても台座の下にあるレバーで水を止められるものもあります。

元栓が完全に閉まっていれば、このように水道の水が出なくなります。他にも元栓に付いている水道メーターが回っていないことで確認することもできます。
スピンドルの取り外し
キャップの取り外し
次に止水栓のスピンドルを取り外していきます。

まず、千枚通しを用いてハンドルの上部にある赤や青のキャップを取り外します。

キャップは小さいのでなくさないようにしっかりと保存しておきましょう。
また、青と赤のキャップがどちら側についているかをしっかりと覚えておくと、交換後の取り付けがスムーズになります。

次に、外したキャップの下にビスがあるのでそれをドライバーで外し、ハンドルを取り外していきます。

ハンドルを外すとこのようにスピンドルと呼ばれる止水の要となる部分が見えてきます。

このスピンドルがあることによって
こまと呼ばれる部品を押さえつけて止水することができます。今回は一体型のスピンドルなので、スピンドル全体を交換していきましょう。

まず、水栓の下側を手でしっかりと支えます。

次に取り付けられているスピンドルをレンチで反時計回りに回して外していきます。固くてなかなか回らない場合は、無理に回さずにコンコンコンとノックしながら回すとうまく取り外せます。

ある程度回したら手でくるくると回して外していきます。

これでスピンドルの取り外しは完了です。

こちらが取り外したスピンドルとなります。
スピンドル交換の際の注意点
スピンドルの型番号の確認

今回取り付けるのはTOTO社のTH738と呼ばれるスピンドルです。

実際はご家庭によって適した品番も異なりますのでわからなければ水栓の型番をインターネット等で調べてそこで使われている品番を参照してください。
止水栓の型番号の確認

今回使った水栓はT20Bという型番号です。ネットでは展開図にそれぞれの部品の品番が記載してありますので、取り替える際はその品番と同じものを購入してください。
スピンドルの取り付け
スピンドルの取り外しと同様の操作で取り付けていきます。

最初は手である程度まで締めてからレンチで締めていきます。

締めるときはそこまできつく締める必要はないので、ある程度締めれば完了です。
水漏れのチェック
ハンドルを閉めた状態で元栓を開けて水漏れのチェックを行います。
ハンドルを閉める

まず、ハンドルを閉めていきます。このとき閉めにくいようでしたら一度カバーをつけてから締めるとよいでしょう。

※水漏れのチェックがしやすいように元栓を開けに行く前にスピンドルが見える状態にしておきましょう。
元栓を開ける
次に、先ほど閉めた元栓を開けます。

元栓を開けたらスピンドルを見に行き、蛇口やスピンドルの接続部から水漏れが無いことを確認します。

次に、ハンドルを開けて同じように水漏れが無いか確認していきます。
キャップの取り付け

水漏れのチェックが終われば、ハンドルを取り付けてビスを締めていきます。

最後にキャップを取り付ければ施工は完了です。
失敗しないためのコツ
今回の作業は比較的安全かつ簡単な内容なので失敗することはほとんどありません。強いて言えば、ビスの締結をしっかりと行うこととスピンドルの締結時に下部をしっかりと支えることが成功するコツです。特にスピンドルはレンチを使って締めるので、下でしっかり支えておかないと相当な圧力が水栓部にかかってしまい、破損の原因となってしまいます。これらのことを気をつけて安全に作業を進めていきましょう。
ビスが錆びて締まらない場合は?
ご家庭の使用状況によってビスが錆びついてドライバーで回せない場合がありますが、その際は油をさしてあげましょう。無理にドライバーで回してしまうとネジがなめてしまう可能性があるので要注意です。
まとめ
今回は、T20Bと呼ばれる型番の水栓を例に挙げました。水栓にはご家庭によって様々な種類がありますが、基本的な構造は同じです。各部品の品番等を調べる際は水栓のメーカー名と型番号をネットで検索し、展開図等を確認してみてください。