クロス・壁紙の選び方とは
クロスを選択する上で知っておきたい柄の選び方、素材の特徴などを解説しています。基本は好みのクロスを使えばよいですが、部屋に合った一般的な柄、ライフスタイルや価値観に合った素材などの知識が参考になります。
柄があるクロス
クロスの柄には無地から織物調、花柄、石目調、ストライプ柄など多種にわたって存在します。
柄物のクロスは無地の場合と違って張り付け時に柄合わせが必要なことに留意してください。
無地
花柄
石目調
部屋に応じたクロス柄の選び方
柄や色合いは好みに合わせて選択すればよいですが、大雑把な部屋ごとの参考をまとめます。
洋間や洋室のクロス
落ち着いた柄、または反対に艶やかで豪華な雰囲気の柄
和室のクロス
ジュラクや和紙柄調または、和風の落ち着いた柄物。天井には木板目柄や民芸風織物柄
子供部屋のクロス
カジュアルな柄。子供の成長も考え飽きのこないもの
トイレ、洗面台のクロス
花柄やタイル柄など多少大胆な柄や色
という使い分けが一般的です。
クロスの素材
現在の日本の住宅で流通しているクロスはほとんどがビニールクロスです。そもそもクロスとは英語で布を意味する言葉でした。したがってかつての日本では布クロスが流通していましたが、張りやすさや汚れ耐性が優れるビニールクロスに取って代わりました。
ところが近年ではビニールクロスに含まれる化学物質がシックハウス症候群の原因になる恐れがあると認識され始め、自然素材に近い布クロスなど、ビニールクロス以外のクロスも注目されています。
ビニールクロス
日本の住宅の9割以上で流通している最も一般的なクロスです。張り直しができるので施工難易度が高くなく、施工費もあまりかかりません。バリエーションが豊富で資材自体も安く、汚れ防止の機能性が優れているものもあります。
名前の通りビニールで部屋をラッピングしているような状態で、壁や天井が水分を含むことがありませんので調湿性はありません。さらに塩ビは燃焼すると有毒なガスを生じるので火災時にはビニールクロスから発生する有毒ガスで動けなくなるという説があります。
布クロス
布クロスは織物壁紙とも呼ばれ、織物、編み物、不織布、フェルトなどを紙で裏打ちした壁紙のことです。
布クロスは独特の高級感や肌触りが特徴で、年月が経つと独特の渋みが増して味わい深くなります。ホテルやオフィスの応接間など、重厚感や高級感を演出したい場所で用いられる傾向にあります。
湿気を吸い込むことは調湿作用をもたらします。
ビニールクロスとくらべて汚れやすくホコリを吸収してしまうことから定期的なお掃除が必要であることなどが欠点です。
紙クロス
紙クロスは国内では人気が下がってしまいましたが、欧米ではよく用いられます。紙にプリント加工や型押しで柄をつけたものです。そのためカラーバリエーションや柄は比較的豊富です。水拭きができるものとできないものがあり、素材自体はデリケートなので家具の擦れやダメージには比較的弱いです。
塩ビを使っていないのでナチュラルなテイストにこだわりたい方にはオススメです。
特徴的な壁紙
健康に考慮したもの
アレルギー、シックハウス症候群の対策として自然素材や安全性を重視した商品も増えてきています。
ペットとの生活
ペットのために汚れや傷に強い壁紙もあるので、室内飼いをしている方は検討してみてください。
消臭・抗菌・空気調整
消臭効果があるもの。トイレの壁紙などにいかがでしょうか。
抗ウイルス
小さなお子様がいる家庭では検討したいですね。
初心者にオススメのクロス
DIYでクロスを張ってみたいという初心者の場合は無地のクロスがオススメです。柄があると柄合わせという作業が必要になるからです。
また、張替えの場合は下地補修調整が完全にできず、今まで貼ってあったクロスがうっすら残ってしまうケースがあります。この場合その上から壁紙を貼るとモノによっては下地が透けてしまうので、下地が目立たない壁紙の選択が必要です。
同じビニールクロスでも張りやすいもの、張りにくいものがあるので資材に詳しい方に一度聞いてみるとよいでしょう。

