今回はプロの方を取材し、フローリングにできた引きずり傷・引っかき傷の補修方法をご紹介します。
傷の大きさ・種類により、有効な対処法が変わりますのでちゃんと判断して正しく補修しましょう。
比較的浅いキズのリペア
まずは軽く上からこすって表面の色が落ちたり溝ができているケースです。
ガスゴテで色のついた樹脂を混ぜる
フローリングのキズに対して、リペア用の樹脂をガスごて(コードレスのハンダごて)で溶かし、数種類の色を混ぜて色を作っていきます。
この色合わせが難しいですが、少しずつ色を重ねて実物の色に近づけていきましょう。
フローリングのキズに沿って樹脂を塗っていきます。線を描くというより、点をつなげていくイメージです。
樹脂を塗った後にそのまま固まってしまうと段差ができてしまうため、カッターナイフの刃を当ててそぐように平らにしていきます。
木の色合いを出す
キャンディーカラーベースのイエローを少し混ぜることで、光沢が出て自然な木の風合いを再現できます。
キズがほとんど目立たなくなりました。
内部に汚れが入って黒くなっているキズのリペア
フローリングのキズの内部に汚れが入って黒くなっている場合、樹脂が入っていかずに着色しづらいため、先にカッターナイフの刃で汚れを除去します。
あとは同様にコテで樹脂を練ります。
樹脂を塗り込んでいき、コーボルトと呼ばれるプラスチック製の研磨器具で表面を平らにしていきます。
樹脂だけでキズが消えきらない場合や、キズを埋めても線が出てしまう場合、ラッカースプレー(シンナー塗料)で色を塗ります。
また、ホシュールスプレー(クリアー)を吹き付けることで色が取れにくくなります。
これで補修完了です。
窓際のフローリングのキズ・色あせ
窓際のサッシの際のフローリングは日光が当たりやすく、紫外線で灼けて白くなってしまっています。
まず表面のざらざらした凹凸をヤスリで滑らかにします。
エアブラシ(小型のスプレーガン)で着色します。
仕上げはタンニングシーラーで色を付けます。
木目が潰れていたら、筆で木目を書き込みます。
木目は、線を描くというより、点をつなげるように描くと自然な風合いが出せます。
筆で木目を書き終えた後、再度スプレーを吹きかけることでマイルドで自然な仕上がりになります。
今回取材させて頂いたリペア屋さんは、元はアンティーク家具のレストアを行っていたそうです。
同業者には、東京芸術大学出身の方もいらっしゃるとか。
絵を描くのが好きな人に向いているお仕事です。

