はじめに
今回は、利用15年を経過した壁掛けエアコン(お掃除機能無し)タイプのクリーニング施工を元に、エアコンクリーニングの方法をご紹介します。
道具があれば簡単に行えるようにも見えますが、しっかりとした知識が無いと、エアコンが壊れてしまうことも有りますので実施には注意が必要です。
なお今回の施工で要した時間は、養生から完了までおよそ75分ほどかかりました。
入居中であれば家具の移動や養生の状況によりますが、一時間強の作業時間が壁掛けエアコン(お掃除機能無し)タイプの作業時間目安です。
エアコンクリーニング受注前の注意点
壁掛けエアコン(お掃除機能無し)タイプでは、一時間強の作業時間で済みますが、エアコンの種類によっては作業時間も変わるため、料金も変わります。
トラブルを防止するためにも事前に型番や種類の確認を行いましょう。
エアコンの種類分け
- 壁掛けエアコン(お掃除機能無し)
- 壁掛けエアコン(お掃除機能有り)
- 天井カセットエアコン
お掃除機能の有無
壁掛けエアコンの見た目では判断が付かないため、機能の有無・型番を施工前に確認を行いましょう。
天井カセットエアコン
2方向、4方向など、複数のタイプがあります。吹き出し口分作業が発生しますので吹き出し口の数が重要です。
今回利用した道具
下記が施工に必要な道具です。数が多いため、台車にひとまとめにして移動させると良いでしょう。
洗浄道具
- キョーワ高圧洗浄ポンプ E-KYC-20A
- 蓄圧式噴霧器
- エアコンクリーニング用洗剤
- 中性洗剤
- ブラシ
- 激落ちくん
- ドライバーセット
- 脚立
養生道具
- エアコンクリーニング用カバーシート
- 布コロナマスカ-
- 養生テープ
- ブルーシート2枚:作業場所用、道具置き場用
- バケツ 2個
- 雑巾タオル
養生とエアコンの分解
入居中は特に家具、家電への汚れに特に注意をしますが基本的なやり方は同じです。
作業前の試運転
養生をしながらエアコンを一旦動作させましょう。
この試運転で確認するポイントは、分解する前の動作状況とルーバーの動きを確認します。
作業後の動作異常の責任を明確に出来るため、記録を残したり、同席される入居者様に確認頂くことが必要です。
マスキング
布コロナマスカ-を利用してエアコン下、横、周辺をしっかりと床まで覆います。
作業場所の確保
作業場所をブルーシートで確保します。
部品外し
ルーバーやフィルタ、本体カバー類、電子部品を外せる順番に取り外していきます。
ここで外した順番は覚えてきましょう。あとで元に戻す際に戻せなくなります。
本体カバーまで外した状態になりました。
今回は15年経過した機械であったため、動きをみてドレイン部は外さずに施工しています。
10年未満の機械であれば、ドレイン部も含め取外し清掃していきます。
電子部の養生
タオルと布コロナマスカ-を利用し、電子部の養生を行いましょう。また、エアコン本体のコンセントも外して、一緒に養生してください。
ここで養生不足で水が入ると電子部品ですので故障原因になります。
エアコンクリーニング用養生カバーを被せる
隙間がないようにマイナスドライバーなどを用いて本体周囲へしっかりとカバーを入れ込みましょう。
バケツ配置
洗浄後汚水を受けるバケツを配置します。
バケツは2つ用意しておき、エアコンクリーニング用養生カバー下とドレン管に配置しましょう。
エアコン洗浄作業
洗浄は洗剤の散布を行い、少し時間を置いてから洗浄していきます。
外した部品と本体を交互に実施することで上手く作業を進められます。
部品への洗剤散布
風呂場にて取り外した部品類の洗剤散布を行います。
洗剤散布後の洗浄に水を使用しますので、場所を選んで作業にかかってください。
散布するのに使用した道具は、蓄圧式噴霧器です。
フィルタへ洗剤を散布していきます。
本体カバ-も同じように洗剤を散布していきます。
取り外した部品全てに洗剤散布を行ったら、機材を持ってエアコン本体の場所へ移動します。
本体への洗剤散布
次は本体へ洗剤散布を行います。作業内容は部品へ行った方法と同じです。
本体上部から満遍なく洗剤を散布していきます。
ルーバー側もしっかりと洗剤を散布しましょう。
作業が終わったら、再度お風呂場へ移動します。
部品の洗浄
放置していた部品の場所まで戻ったら部品洗浄を行いましょう。
水をかけながらブラシを使って丁寧に洗浄します。
部品類は取り付ける前に乾拭きを行い、乾燥させましょう。
風呂場は綺麗に掃除し、乾拭きも行ないましょう。
部品類を乾かしている間に本体の洗浄へと移ります。
本体の洗浄
この作業は高圧洗浄ポンプを利用していきます。
今回の使用した高圧洗浄ポンプは、「キョーワ高圧洗浄ポンプE-KYC-20A」です。
本体上部熱交換部(アルミフィン)より順番に洗浄していきます。
次に吹き出し口を洗浄します。本体横など細かな部分は手で拭き上げます。
一通り洗浄ができたら、本体の電源を入れ内部を乾燥させます。およそ10分程度電源を入れて動かしました。
乾かしている間に部品の乾拭きを行い、戻す準備を行いましょう。
余裕があればリモコンなども綺麗に拭き上げます。
取付・稼働確認・片付け
洗浄した部品の取り付けを行いましょう。
電子部品の取付
カバーの取付
外したフィルタも順番に設置します。
ルーバーの取付
仕上げに拭き上げています。
運転確認を行い、取り付けミスなどのトラブルがなければ作業は完了です。
養生とブルーシートを片付け、バケツ内の汚水を持って部屋から撤収します。
今回は中性洗剤を使用した洗浄で行ったので、下水へ流しました。もしも特別な洗剤を使用しているなら適切な方法で破棄しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
エアコン洗浄作業は、いくつか慎重に作業すべきポイントがあり、守らないと破損させてしまいます。作業前に手順とポイントを確認し、安全なクリーニングを心がけましょう。

