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給排水の配管で使われる塩ビ管の接着・接続方法

はじめに

塩ビ管とはキッチン下、洗面下、雨どいなど水周りの給排水を行う配管として多く使われている資材です。
方法さえ覚えてしまえば安価な道具で、誰でも簡単に水漏れしない塩ビ管同士の配管接続が可能です。

そもそも「塩ビ」とは

塩ビとはポリ塩化ビニルまたは塩化ビニル樹脂の事で、プラスチックのことです。
塩ビが給排水の配管でよく使われる理由は、以下のような特性があるからです。

安価

配管に使われる他の金属素材と比べて、安価です。
資材が安い分には工事費を抑えることができる直接的な理由となりますので、納得ですね。

加工が容易

塩ビは高温に弱いですが、難燃性で燃えにくいです。
なのでゆっくり塩ビ管を炙ることで曲げたり引き伸ばしたりという加工が可能です。
ただし、難燃性とはいえ炙りすぎると溶けたりする恐れがあります。

※実際の建築・リフォーム現場ではそのような火を取り扱う加工は行わず、きちんと資材を調達することが多いです。

長期間の使用が可能

塩ビ管の内部は摩擦抵抗が非常に少なく、水はもちろん汚れがつきにくいです。
加えて耐久性や耐候性(屋外で使用した場合の耐久性のこと)があるため、長期間使用することが可能です。

このような特性なため、塩ビ管は給排水の配管を施工する際に資材としてよく使われます。

塩ビ管の種類

塩ビ管には様々な種類があります。
今回は水周りの配管でよく使われる種類と用途をまとめました。水周り配管の8割は以下の種類でまかなわれますので覚えておきましょう!

種類 主な用途 備考
給排水配管 グレー色の一般的な塩ビ管
排水、空調配管 グレー色で薄肉のため圧力のかからない所に使用する
耐衝撃性給水配管 黒色で圧力のかかる所に使用する
耐熱性給水配管 あずき色で温水の給水に使用する

塩ビ管の接着方法

塩ビ管は、必ず継手と塩ビ管用接着剤を用いて配管の取り回しを行います。
手順とコツさえ覚えてしまえば簡単で、どの塩ビ管でも同じ方法で対応できるので、覚えておきましょう!

塩ビ管・継手と塩ビ管接着剤の相性

後ほど紹介しますが、実演で使用した塩ビ管用接着剤は積水化学の『エスロン接着剤 No.80S』です。
こちらの商品はHI管と継手はもちろんですが、他の一般的な塩ビ管に使用できます。

道具・資材

実際の塩ビ管施工で使われる道具です。

塩ビ管本体

継手

パイプソー
ティッシュ
メジャー
マジック
塩ビ管用接着剤

ヤスリ(平)
メントリー
カッター

塩ビカッター

施工

塩ビ管を切りたい長さに測る

まずは切りたい長さに測り、マーキングしましょう。
もしも切断する際に、まっすぐ切れる自信がない方はマスキングテープを塩ビ管一周貼り付けてマーキングしても構いません。

刃を入れやすいように溝をつける

塩ビ管は表面がツルツルしているので刃がすぐに入りません。
切り始めは塩ビ管に溝ができるまでゆっくりと前後に動かしましょう。

この程度の刃がすべらない程度の溝がつけられたらOKです。

切った面が塩ビ管と垂直になるように切る

塩ビ管に溝がついてパイプソーの刃が入りやすくなったら、塩ビ管を切断しましょう。
このとき、切断面が塩ビ管と垂直になるように切断してください
刃を動かすコツは、引く際に力を入れることです。

ここで切断面が垂直な例と曲がっている例を確認しましょう。

分かりにくいですが、上のパイプが切断面が曲がっている悪い例です。

継手はパイプを入れるところがテーパー状(先細り)になっています。そのため、パイプが浅くしか継手に入らない所が発生しないように必ず切断面は垂直になる様に心がけましょう。

また塩ビカッターという塩ビ管専用の切断工具があります。何回も握ることで刃が閉じていき、塩ビ管が切断されます。

何回か握りましょう

切った面の外側のバリを面取りする

切り終わった塩ビ管は、切断面にバリというささくれのような切りくずが残ってしまいます。

これを残したまま塩ビ管・継手に接着剤を糊付けして組んでしまうと、バリが継手に塗った接着剤を削いでしまい、接着不良を起こして水漏れを起こす原因となります

面取りする

ここで、メントリーを使って面取りを行います。
メントリーはカブトムシのツノの様に、先が二股に分かれている工具です。

このメントリーの二股部分を面取りしたい切断面に当てて、バリを削り取るように使用します。力を入れて2周ほど角をそぎ落とす様にバリを削ぎ落としましょう。

この様にバリがなくなれば面取り完了です。

横からみるとバリはもちろんですが、切断面の角が若干丸くなっていることが面取り完了の目安です。

メントリーですが、配管の切断面の面取りにしか使用しないため、持っていない場合はカッターかヤスリで代用できます。

カッターを使う場合

カッターを使う場合は、刃を1〜2センチほど出します。出した刃の根本部分を持ち、写真のように少し刃を寝かせながらバリ部分に当てます。

当てた刃が向いている方向と逆にカッターを動かし、バリを削り取ります。

ヤスリを使う場合

ヤスリを使う場合は、バリの面に当てて前後に動かして削り取ります。
平型の棒ヤスリは、押し込む方に動かした時に研磨するような仕組みとなっていますので、前方向に動かす時に力を入れましょう。

仮組みする

面取りが終わったら仮組みを行いましょう。
仮組みでは、塩ビ管を継手に入れた際に、どこまで入るのかを確認します。

入りきったところにマジックでマーキングしましょう。
このマーキングは塩ビ管接着剤を塗る目安に使用します。

塩ビ管接着剤を塗る

塩ビ管接着剤を継手と塩ビ管に塗りつけます。塩ビ管接着剤を塗布する前に、油分のない布で塗りつける面を綺麗にしましょう。
塩ビ管接着剤は溶剤なので、溶けてくっつける性質です。なので、両方に塗らないと接着不良を起こします。

余分な接着剤はハケから落としてください。塩ビ管接着剤は必要最低限の量しか塗る必要がありません。

接着剤を塗りすぎると塩ビ管からはみ出た接着剤が塩ビ管を溶かしてしまいます。それ自体で穴を開けるほどではありませんが、VUなどの肉薄塩ビ管の場合、経年によって割れを引き起こす原因となります。

はじめに継手に塗ります。

次に塩ビ管に塗ります。

本組する

そろそろ最終工程です。
仮組みした時と同様に、継手と塩ビ管をつなぎ合わせます。継手はテーパー状(先細り)になっているため、本組する際は30秒固定させたい位置で押さえておきましょう

組み付けた状態でキープします

押さえずに組んだまま放置してしまうとテーパー状の継手から塩ビ管が押し戻されて、仮組みした位置よりも浅くはまってしまいますので気をつけて下さい。

30秒押さえ込んだら、ティッシュで余分な塩ビ管接着剤を拭き取ってください。

乾燥

以上で本組みは完成したので、24時間を目安に乾燥させましょう。接着面を乾燥させたほうが強度が増すためです。
以上で水漏れしない塩ビ管接続方法の完成です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
コツさえ掴んでしまえば水漏れを起こすことのない配管取り回しが可能ですので、正しい施工を心がけましょう!

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