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必要なクロスの長さの計算方法と割り付けの考え方

第3回目はクロスの採寸・割り付けについて解説していきます。いざクロスを貼ろうと思ってもどこからどのように貼ればいいかわからないかと思います。事前に壁にどう貼っていくか計画を立て、それに応じて必要な材料の本数や長さを決定していきます。

必要な材料の長さを計算する

これから壁に貼るクロスを用意していきますが、作業の流れを少し確認しましょう。まず、全ての作業(剥がし含む)の前にあらかじめ新しいクロスを用意(購入)しておく必要があります。だいたい六畳間は何メートル、トイレは何メートルと相場があるのでその長さで用意してもいいですし、実際に壁の面積を測れば確実です。

材料を手配し古いクロスを剥がし終えてから、下地の状態などを考慮して貼り方の計画を立てていきます。このときに壁ごとに必要な材料の本数が確定します。
より正確な見積りを出す場合は現場で職人が壁ごとに有効幅(約90cm)で必要な本数×壁の高さで正確な長さを測ります。合計の長さに10%増ししたり、予備として1本材料を多めに取れる長さ(=壁の高さ)を加えます。

だいたいの目安

場所 天井
トイレ 約2m 約12m
洗面所 約4m 約18m
4.5畳 約8.5m 約25m
6畳 約12m 約28m
8畳 約16m 約33m
10畳 約20m 約40m

クロスの幅は普通90cmなので、1つの壁が横500cm, 縦230cmなら横に6本でその部分には230cm×6=13.8m必要になります。あとは同じ要領で壁・天井ごとに必要なメーター数を計算して合計すればいいのですが、実際には貼り損じや切り代のロスが出るので20%程度多めにしたり、壁の縦2本分余分に用意すれば安心です

こうして発注したクロスはロール状になって届きます。

必要な本数

次に、壁にどのようにクロスを貼っていくかの計画を立てます。この計画を割り付けといいます。

練習台

今回クロスを貼っていく練習台です。

上から見た図

この練習台を上から見ると、だいたいこのような図で表せます。

割り付けを考える上でまず最初に考えなければいけないのが入隅です。入隅で切ってつなげるか、一枚のクロスを入隅で巻くかによって、必要な本数が変わります。今回は講習用として右の入隅は巻き、左の入隅は切ってつなげることにしました。

この時点で必要な本数はこのようになります。

右の入隅、左の出隅はそれぞれ①・④のクロスで巻き、左の入隅は③、④のクロスで切っている点に注目。
これでこの壁は5本の材料があれば貼れることが分かる

割り付けの注意点

細い材料を使わない

割り付けを考える上でいくつか注意しないといけないことがあります。まずなるべく細い材料を入れないようにするということです。

上の図で③のクロスは実際にはもう少し幅があるのですが、現場で10cmとか極端に短い幅のクロスを使うことはなるべく避けます。

仮にそのまま貼って③のクロスの幅が10cmになってしまうのなら②のクロスと合わせて100cmの幅があるわけなので、それぞれ50cmで貼れば細くいれないで済むわけです。

ボードの継ぎ目とクロスの継ぎ目をずらす

たいてい住宅の壁は石膏ボードでできており、ボードのつなぎ目はパテで処理されています。このパテの部分にはクロスの糊付きがあまり良くないので、クロスのジョイントが継ぎ目のパテの部分に重なるとジョイントが剥がれやすくなります

石膏ボード

これが石膏ボードで、白い部分がパテで埋められた継ぎ目です。

というわけで、教科書な考え方はあるのですが実際には職人が現場で判断する要素が多いので割り付けは意外と難しいです。

ただ、どう貼ればいいかよくわからない場合でも一番確実なのはもともと貼ってあった通りに貼っていくことです。不安な場合はもとのクロスの貼り方を下地に線を引いてメモしてもいいでしょう。

貼る順番

貼る順番は比較的簡単です。天井と壁を両方貼り替えるなら天井が先です

天井は足場をかけて作業するので、先に壁を仕上げると足場がぶつかって壁のクロスを傷つけるリスクがあるからです。

原則的に、壁は右利きの人は右から貼っていきます。これは次に貼るクロスの位置をすでに貼ってあるクロスに合わせるときに右利きだと右側のほうが正確に合わせやすいからです。

ただしいくつか例外があります。

巻くときに先に貼る部分が小さくなってしまうとき

右側が小さくなる

上の図のように右から出隅を巻いたときに先に貼る右の面が幅が小さく細くなってしまうと右側の面積が小さい分押さえる力が弱く、左の面を貼る際に右側がずれてくることがあります。右側で細くならないように工夫するか、左側から貼ることになります。

右側のクロスより大きい材料(大判)があるとき

クロスの幅が90cmとして壁の横幅が仮に190cmだと、右から90cmずつ貼ると一番左が10cmになります。細い材料はなるべく使わないほうがいいので、この場合90cm1本と50cm2本のように分割して貼るのが普通です。
この際、幅が広いもののほうが貼ってからずれにくいので幅の広いもの(大判)を先に貼ってそれに合わせて突きつければ仕上がりがよくなります。したがって細い材料より大判を先に貼ります。(上の図では真ん中、右、左のように貼ります)

まとめ

これで壁に対して何cmのクロスを何本用意するかが分かりました。次回はこの本数と長さでクロスを用意して、糊付けするところまで進めます。

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