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べランダのワイヤーガラスの交換・ひび割れの補修方法

今回は戸建て住宅のベランダの手すり部分、ひびが入ってしまった網入りガラスを交換する方法です。不慮のアクシデントや熱によって割れることがあるそうなので、予期せぬ施工に対応できるよう方法を確認しましょう。

ガラスの種類

住宅で使用されるガラスは主に3種類あります。

フロートガラス(透明ガラス)

一般的な透明のガラスのことです。窓や木製テーブルに載せる天板、棚板、棚の扉や水槽など、広く利用されています。

型板ガラス

片面が凸凹していて、もう片面がつるつるしたガラスです。
光を通しながら視界をさえぎることができるため、室内の間仕切り、窓、玄関、浴室、トイレなどによく利用されています。

網入りガラス

ガラスに金網(ワイヤー)を封入したガラスで、火災時のガラスの飛散防止を目的としたガラスです。延焼の恐れのある部分に使用することが建築基準法で定められています。型板ガラスに金網を封入したものは網入り型板ガラスと呼ばれます。
構造上、ワイヤーの通っている隙間から雨水が浸透して錆びることがあり、さらに日光が当たることで「熱割れ」が起こりやすいのが欠点です。

日射が窓ガラスに当たると、ガラスの中央部と周辺部に温度差ができます。ガラスの種類と使用条件によっては、この温度差が大きくなるとガラスにヒビが生じることがあります。このようなヒビ割れの現象を『熱割れ』と呼んでいます。

旭硝子株式会社 ガラスの取り扱い説明書

施工方法

ガラスの施工方法には大きく分けて2種類あります。

ビート施工

「ビート施工」は、ガラスの廻りに「ビート」や「グレージングチャネル(グレチャン)」と呼ばれるゴムを巻き、サッシに収める施工方法です。

ガラス破損時などの交換は容易ですが、ビートは熱に弱く伸縮するためガラス落下の危険性があるので、そのような場所の交換をする場合は避けましょう。通常はアルミサッシで用います。

コーキング施工

「コーキング施工」は、コーキング材と呼ばれる接着剤をガラス面とサッシの隙間に入れて、ガラスを固定する施工方法です。
ビート施工と比較して作業の手間はかかりますが、止水・排水性に優れています。

今回は押し縁がないタイプでしたのでコーキング施工を採用しました。

使用する資材・道具

新しいガラス

セッティングブロック

セッティングブロックとは、ガラスの重さをサッシ内で支えるため、サッシ下辺のはめ込み構造に置く副資材。 ガラスの破損を防ぐ、緩衝材としての役目もある。

セッティングブロック - ガラス業界用語Wiki

バックアップ材(バッカー)

バックアップ材は、ガラスとガラスをはめ込む溝のすき間を埋めるために使用します。

バックアップ材とは、目地に設けるシーリング材の3面接着の回避、充填深さの調整、目地底の形成を目的として、シーリングを施す目地底に設ける副資材。

住宅建築専門用語辞典 | バックアップ材 とは
  • グローブ
  • ハンマー
  • はしご
  • 固定用ロープ
  • コーキング(ガン)
  • コーキングべら

はけ

ガラスの破片を取り除く際に使います





ガラス専用カッター(ガラスキー)

内部にミシンオイルが入っており、ガラスに切れ目を付けながら、先端から少量ずつオイルがにじみ出てきます。
先端からオイルをにじみ出させる理由は、ガラスの表面に付けた切り口を再び塞いでしまわないためです。ガラスの性質上、切り口を放置しておくと傷口がくっついてしまい割れにくくなるので、それを防ぐためにオイルが滲みやすくなります。

持ち運びの際にガラスを固定する吸盤(通称:タコ)

タコとは、ガラスを持ち運ぶための吸盤のことです。ガラス面に対して吸盤を上から押さえ、中心のレバーを倒して吸着させて使用します。最大荷重は120kgあります。
ガラスをそのまま持ち運ぼうとすると落下させて破損させる危険性がありますので、必ず使用してください。

施工

作業準備

今回の施工はベランダにある柵のガラス交換のため、作業場所をきちんと確保する必要があります。
ベランダにビニールシートを敷いて養生し、伸縮性のはしごをベランダに立てかけてロープで固定します。

既存のガラス取り外し

先述の通り、今回の施工は押し縁が取れないタイプのため、既存のガラスを少しずつ切り取って撤去します。
ガラス専用カッターで表面に切れ目を入れ、切れ目の裏側からカッターの柄やハンマーで叩いて割っていきます。
ガラスを切る際の「チー」という音が、キレイに切れている目安になります。

どちらか一方に向かってガラスを叩きましょう。
今回の施工は施工場所がベランダと特殊であるため、ガラスの飛沫を防ぐため内側に向かって叩きました。

既存のガラスを撤去することができたら、なるべく枠に残ったガラスを取り除くためにハケで払います。

新規のガラスはめ込み

新しいガラスを吸盤につけて運び、枠にはめ込みます。

安定して持ち運ぶには吸盤を二つする必要がありますが、吸盤がなければ足で支えながらはめ込みましょう。

はめ込む際に、下側の溝にはゴム製のセッティングブロックを敷き、その上にガラスを載せることで安定性を高めます。

四方の溝にバッカー(ガラスと、ガラスをはめ込む溝のすき間を埋めるバックアップ材)を入れ、ガラスを両側から挟みこんで固定します。

コーキング処理

養生

まずはじめに、余計な箇所にコーキング材がつかないようにマスキングテープで養生をします。

内側・外側ともマスキングします。

コーキング材の塗布

次に、コーキングガンを使ってコーキング材を押し出して塗布します。





ガラスの内側、外側ともに一周ずつコーキング材を塗布します。

余分なコーキング材を削ぐ

コーキングべらで余分なコーキング材を削いでいきます。

マスキングテープを剥がす

マスキングテープを端からくるくると巻き取っていきます。

この作業が完了したらコーキング処理は完了です。

清掃

作業中に周辺に落ちたガラスの破片やゴミを入念に清掃し、施工完了です。





コーキングが完全に乾くまで、丸一日程度は窓に触れないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ガラスは非常にデリケートな作業が多いです。施工内容をきちんと覚えて、現場であたふたしないようにしましょう。

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